百度(バイドゥ)が日本での検索サービスを1カ月ほど前に終了していたことを中国のネットユーザーが発見したというニュースが、4月17日から中国版ツイッターである「ウェイボー」に登場している。百度と言われても日本では今いちピンと来ないかもしれない。
百度の初めての進出先が日本
百度は中国最大の検索エンジンだ。Google、Yahoo! が中国から撤退してからは、百度の天下であるといってもいいだろう。だが、百度を知っている日本人はほとんどいないのではないだろうか。
実は百度は2008年から正式に日本で検索サービスを提供している。しかも、百度の初めての海外拠点は日本だ。にも関わらず、その知名度は低い。日本で検索と言えばやはりYahoo! かGoogleで、百度が思い浮かぶ人は少ないだろう。その利用率については、中国メディアの中には1~2%だったと報じているところもある。
ウェイボーでも、「日本はYahoo! の天下だから」「日本で百度を知っている人がどのくらいいるって言うんだ」「その2%って日本に住んでいる中国人なんじゃないの? 」「百度って何? って外国人の子が聞いてたよ」とあり、日本での百度の状況は中国でも知られているようだ。
中には、「Yahoo! とかGoogleとか外国のものばかりだけど、日本には国産の検索エンジンがないの?」という声も見受けられた。
百度は戦略的撤退と説明
百度のスポークスマンによると、この撤退は百度全体の戦略によるものであり、日本市場をあきらめたわけではないという。日本のオフィスを閉鎖するわけではなく、この撤退は今後、検索エンジン以外の方面に力を入れていくためのものであるとしている。検索エンジン以外としては、2011年に買収したAndroid、iOS向けの日本語入力アプリ「Simeji」が好調である。
ちなみに、百度が進出した国の中で当初から検索サービスを進めていたのは日本のみだ。他の進出先ではコミュニティーサイトやQ&Aサイトで様子を見つつ、検索エンジンを押し出すタイミングをうかがっているという状況である。
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