道路交通情報通信システムセンター(以下、VICSセンター)は4月23日、新たな道路交通情報サービス「VICS WIDE」を提供開始した。
VICS WIDEではVICSの約2倍にFM多重放送の伝送容量をアップ。これにより、ユーザーは「一般道のリンク旅行時間の提供」「プローブ情報を活用した渋滞・旅行時間情報の提供」「緊急情報(特別警報)の提供」「気象・災害情報の提供」のサービスを利用できるようになった。
リンク旅行時間とは、道路の交差点間など一定区間の通過に必要な時間のこと。リンク旅行時間を把握することで、より精度の高い渋滞回避ルートガイダンスを行える。
プローブ情報とは、走行している車から収集した位置・時刻のデータのこと。VICSでは、道路に設置された車両感知器のある場所でしか交通状況を把握していなかった。このたびVICSセンターでは、都内のタクシー業者と提携。プローブ情報を活用した走行速度などから交通状況を把握する。直進・右折・左折の分岐方向別でリンク旅行時間が分かる機能も追加された。
緊急情報(特別警報)の提供は、特別警報が出された際に、その情報をポップアップ表示するというもの。気象庁から提供された気象、津波、火山噴火などの情報が表示される。
気象・災害情報の提供は、大雨により発生する混雑を回避するためのもの。50mm/h以上の雨が降っている豪雨エリアの情報を提供する。
VICS WIDE対応ナビが各社より登場
VICS WIDEに対応したカーナビも各社より発表されている。23日に発表されたクラリオンの2015年モデル「MAX775W」「NX715」「MAX675W」「NX615」「NX615W」5製品は、すべてVICS WIDE対応だ。MAX775W、MAX675W、NX615Wの3モデルは、200mm幅ワイドコンソール対応で、他の2モデルは180mm幅コンソールに対応したモデル。MAX775WとMAX675Wは6月上旬発売で、他は6月下旬発売だ。
また、JVCケンウッドも同日、同社のAVナビゲーションシステム「彩速ナビ」のファームウェアアップデートでVICS WIDEに対応すると発表。「MDV-Z702W/Z702」「MDV-X702W/X702」が本日から、「MDV-L502/W」「MDV-L402」「MDV-D502BTW/BT」「MDV-D402BT」「MDV-D302/ML」「MDV-D202」が4月下旬からファームウェアが提供される。
パナソニックは、「CN-RX01WD/D」と「CN-RS01WD/D」のバージョンアップを2015年夏をめどに行う予定だ。