シャープは4月22日、サイクロンふとん掃除機「Cornet(コロネ) EC-HX100」を発表した。シャープ初のふとん掃除機で、約40℃の温風を吹き出しながら同時に吸引する「ヒートサイクロン」の搭載が特徴だ。発売は5月21日。価格はオープンで、推定市場価格は税別40,000円前後だ。

シャープ初のふとん掃除機「Cornet」

Cornetは、約40℃の温風を吹き出しながらダニを引きはがして吸引する「ヒートサイクロン」方式を採用したふとん掃除機。ヒートサイクロンは、シャープが徹底して行ったというダニ研究から生まれた。ダニは掃除機で吸引されると、それに抵抗するべく、するどいツメで繊維にしがみついてしまう。ところが、ダニが嫌う温度である約40℃の熱を与えると、そこから逃げ出そうとして、繊維から手を離すということが実験から明らかになった。

そこでシャープは、温風でダニに熱を与えつつ吸引するヒートサイクロンを開発。吸い取られたダニは、遠心分離サイクロンの高速旋回気流によって99%以上が死滅するという。加えて、布団の微細なゴミなどもたたき出して捕じんできるよう、1分間に最大約6,000回振動する「たたきパワーブラシ」を装備。モーター駆動の回転ブラシとゴムブレードでハウスダストをかき出す。

熱を与えてダニを引きはがして吸引するヒートサイクロン方式を採用

たたきパワーブラシでゴミをかき出す

温風の吹き出し口にはフィルターを備え、排気にも配慮した

サーモグラフィーで見てみると、Cornetをかけた部分は赤くなっている

微細なゴミだと仮定したきなこをCornetで吸ってみたところ

今度はゴミの上にシーツをかけてCornetで吸う実験。何度か往復してみると、シーツ下のゴミも吸引できていた

Cornetは温風を吹き出すためにヒーターを搭載しているわけではなく、掃除機の内部で発生するモーターなどの熱エネルギーを掃除機の底面で循環させている。消費電力は280W、最大でも530Wだ。

ちなみに、Cornetという名称はフランス語で円錐や角笛を指す「cornet」と、布団が清潔になって「コロっと寝られる」という2つの意味を込めて付けられたそうだ。

横から見ると円錐形になっている

「ふとん掃除機=ダニ退治機」という認識

シャープ 健康・環境システム事業本部 ランドリーシステム事業部長 林一正氏

発表会には、シャープ 健康・環境システム事業本部 ランドリーシステム事業部長 林一正氏、シャープ 健康・環境システム事業本部 ランドリーシステム事業部 国内商品企画部 手塚萌子氏が登壇した。

林氏はまず、掃除機の市場について説明した。2014年4月の消費税増税の影響もあり、2014年度の掃除機販売台数は減少。しかし、コードレス式掃除機やロボット掃除機など新ジャンルの掃除機は伸びを見せた。特にふとん掃除機の市場は大きく伸長し、ニーズが拡大していることから今回の発売に至ったという。

ふとん掃除機のニーズは拡大しており、特に「ダニ対策」として購入する消費者が多い

続いて、手塚氏が新製品のCornetを紹介した。実際に撮影されたダニの映像を見てみると、確かに室温25℃ではダニがきっちりと繊維にしがみついて離れない。Cornetを用いて約37℃の状況で吸引してみると、ダニは繊維から手を離し、スルっと吸い込まれていってしまった。

そのほか、手塚氏は使い勝手についても説明。ベッドと敷き布団の使用者割合が日本では半々に近いことから、どちらにも対応できる持ち手「ラウンドハンドル」を採用した。ベッドを掃除したい時は真横から、敷き布団を掃除したい時は少し上部を持つようにするとラクに掃除できるとしている。実際に使ってみると、持ち上げるのは「重い」と感じたが、ベッドと掛け布団の上ではスルスルと滑らせるような感覚で、使い心地は軽かった。

室温25℃の時、吸引してもダニがしっかりと繊維にしがみついている

約37℃の温風を当てると、ダニは熱から逃れるために手を離して這いまわる。そのため、写真右のように吸い込まれていってしまう

握りやすく動かしやすいラウンドハンドルを採用

プラズマクラスターイオンで寝具の消臭も

Cornetはプラズマクラスターイオンを放出する機能も持つ。プラズマクラスターイオンによって寝具についたニオイなどを消臭できる。

製品のカットモデル。温風吹き出し口のすぐそばからプラズマクラスターイオンを放出する

プラズマクラスターイオンで寝具を消臭できる

2つのクッションにノネナール(加齢臭・体臭のニオイ成分)を散布。1つはCornetで消臭し、もう1つはそのまま。Cornetをかけていないほうは顔をしかめるほどのニオイを放っていたのに対し、Cornetを使用したクッションからは何のニオイもしなくなっていた