財務省は22日、2015年3月の貿易統計(速報、通関ベース)を発表した。それによると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は2,293億円の黒字となった。黒字は2012年6月以来、2年9カ月ぶり。原油価格が下落し、輸入額が減少したことが影響した。
輸出額は前年同月比8.5%増の6兆9,274億円と、7カ月連続の増加。品目別では、自動車が同10.5%増、半導体等電子部品が同12.4%増、鉱物性燃料が同37.6%減などとなった。
輸入額は同14.5%減の6兆6,981億円と、3カ月連続の減少。品目別では、原粗油が同50.7%減、石油製品が同38.3%減、液化天然ガスが同12.3%減などとなった。
地域別に見ると、対米国は、輸出額が同21.3%増の1兆3,778億円、輸入額が同23.9%増の7,747億円で、6,031億円の黒字。黒字額は7カ月連続で増加した。
対EUは、輸出額が同9.1%増の7,049億円、輸入額が同5.3%減の7,088億円で、39億円の赤字。赤字は3カ月連続となる。
対アジアは、輸出額が同6.7%増の3兆6,775億円、輸入額が同10.7%減の3兆745億円で、6,030億円の黒字。黒字は3カ月ぶりとなる。
対中国は、輸出額が同3.9%増の1兆2,012億円、輸入額が同19.6%減の1兆3,754億円で、1,742億円の赤字。赤字は37カ月連続となる。
同省は併せて2014年度の貿易統計(速報)を発表。それによると、2014年度の貿易収支は9兆1,343億円の赤字となった。赤字は4年連続であるが、赤字額は前年度より33.6%縮小した。
輸出額は前年度比5.4%増の74兆6,709億円で、2年連続の増加。品目別では、自動車が同5.4%増、金属加工機械が同24.8%増、有機化合物が同9.5%減などとなった。
輸入額は同1.0%減の83億8,051億円で、5年ぶりの減少。品目別では、液化天然ガスが同5.9%増、原粗油が同20.0%減、石炭が同13.0%減、石油製品が同10.8%減などとなった。
地域別に見ると、対中国は、輸出額が同3.2%増の13兆4,208億円、輸入額が同3.2%増の19兆1,803億円で、5兆7,594億円の赤字。輸出額、輸入額、赤字額のいずれも過去最大を更新した。