男性の利用が常識だったカプセルホテルがいま、女性も利用できる業態へと進化を遂げる施設が増えている。女性目線は厳しい。清潔感はもちろん、スタイリッシュなコンセプトや安全性の高さを求めるニーズは男性以上と言えるだろう。そんな女性のニーズに応えたカプセルホテルが「ロスコ」(東京都北区)だ。
女性客を意識してリニューアル
JR山手線「駒込駅」から徒歩30秒という好立地のロスコは、2014年に大規模リニューアルを施し、男性はもちろん、女性もさらに快適に利用できるスパ&サウナ・カプセルホテルに生まれ変わった。「24時間チェックインOK」というサービスは何かと使い勝手がいい。さらに、ウッディなアプローチには「おいしい食事も24時間」という看板も。24時間戦える、いや、癒されそうなカプセルホテルだ。
エントランスのガラス枠も木製で、とにかくウッディなリニューアルでリラックス度は高い。女性利用も意識した進化系カプセルホテルと言えそうだ。実際、女性の利用客が受付している姿もちらほら見かける。
天然水に露天ジャグジーも
広々したロビーは明るくてホッとするし、テキパキしたフロントスタッフにも好感度。大浴場入り口の暖簾にはさりげなくデザインされたロゴもなんだかオシャレ。また、こちらは水にも気を遣い、地下数百メールから湧き出る100%天然のミルラルウォーターを全館で使用している。さらに、露天ジャグジーがあることにも注目したい。
施設内には完全独立の充実した女性専用スペースを設けており、男性の目を気にせずリラックスして滞在できると女性客に好評のよう。さらに、女性専用化粧室や多種多様な充実したアメニティーもうれししい。また、男女兼用のスペースもあるのでカップルで利用するのもありだ。
女性専用スペースの設置は、近年の進化系カプセルホテルの特徴ひとつと言えるだろう。女性目線を意識したカプセルホテルの進化は、インテリアやアメニティー、居心地のいい気遣いにも現われ、結果、男性客にも心地よい空間をもたらすことにもなる。
この頃の旅行スタイルとしてひとり旅が増えており、気軽に利用できるカプセルホテルはそうした人々にとっても魅力的な宿として注目されている。それは女性も同じだ。今後も女性目線を意識したカプセルホテルが、さらに癒やしの空間へと変貌を遂げる姿に注目していきたい。
※記事中の情報は2015年4月取材時のもの
筆者プロフィール: 瀧澤 信秋(たきざわ のぶあき)
ホテル評論家、旅行作家。オールアバウト公式ホテルガイド、ホテル情報専門メディアホテラーズ編集長、日本旅行作家協会正会員。ホテル評論家として宿泊者・利用者の立場から徹底した現場取材によりホテルや旅館を評論し、ホテルや旅に関するエッセイなども多数発表。テレビやラジオへの出演や雑誌などへの寄稿・連載など多数手がけている。2014年は365日365泊、全て異なるホテルを利用するという企画も実践。著書に『365日365ホテル 上』(マガジンハウス)、『ホテルに騙されるな! プロが教える絶対失敗しない選び方』(光文社新書)などがある。
「ホテル評論家 瀧澤信秋 オフィシャルサイト」