男性の性器ヘルペスの症状とは

性器ヘルペスは原因となるウイルスを排除することができず、再発率が高い

男性器にかゆみがあり、小さなブツブツや水ぶくれを見つけたら、STD(性病・性感染症)のひとつである「性器ヘルペス」に感染している可能性が考えられる。もし患ってしまったら、どのように対処すべきだろうか。

今回は、再発の可能性が高い「性器ヘルペス」の症状や予防法、治療方法などについて、STDの郵送検査キットを販売するアルバコーポレーションの萬田和志社長に話を伺ったので紹介しよう。

小さな赤いブツブツ、水ぶくれを見つけたら

萬田社長によると、男性の性器に「小さな赤いブツブツ」「水ぶくれ」などの症状が見られた場合に考えられるSTDには、「性器ヘルペス」があるという。

性器ヘルペス

「単純ヘルペスウイルス」に感染することによって起こる病気で、ヘルペス病変部との接触により感染する。セックスやアナルセックス、オーラルセックスなどあらゆる性行為で感染する可能性がある。症状が出ていないときでも、性器の皮膚や粘膜にウイルスが出てきて、パートナーに感染させてしまうケースもある。

口の周りにできるヘルペスも単純ヘルペスウイルスによるものだが、上半身の場合は主に1型の「口唇ヘルペス」、下半身の場合は2型の「性器ヘルペス」とされる。ただし、口唇ヘルペスの症状があるときにオーラルセックスをすると相手の性器に感染してしまうので、注意したい。

■症状

男性の場合、症状には段階があり、最初は「ヒリヒリ感、むずかゆさ」を患部に感じるようになる。感染からおおよそ2~10日ほどで、かゆみを伴った1~2mm程度の「赤いブツブツ」や「水ぶくれ」が発生。それが破れてしまうと、潰瘍(かいよう: ただれのようなもの)ができてしまう。場合によっては、太もものリンパ節の腫れや強い痛み、発熱を伴うこともあるという。

発生部位としては、亀頭や陰茎体部によく症状がでるが、太ももやおしり、肛門周囲のほか、直腸粘膜にも出ることもある。

「ヘルペスは、基本的には『症状が出ている箇所との接触』により感染します。症状は、太ももやおしりなど広範囲に現れることもあり、残念ながらコンドームではカバーしきれない部分があります。性行為の際には、コンドームの使用はもちろん、相手の性器やその周辺に症状がないか確認することも大切な予防法の一つです。ただし、症状が出ていないときでも、皮膚や粘膜の表面にウイルスが出てきて感染することもあるので、注意が必要です」。

1年以内の再発率は8割とも

性器ヘルペスは、なんと1年以内に8割以上が再発するといわれている

性器ヘルペスの検査は、症状が出てウイルスの採取ができるようになれば可能。感染していると診断されたら、5~10日間かけて薬を服用もしくは軟こうなどを患部に塗布してウイルスの増殖を抑制し、病変部分の症状を抑えるようにする。重症時は点滴治療の場合もある。

しかし、ヘルペスウイルスは神経節に潜伏してしまうので、ウイルスを排除して完治させることができない。そのため、1年以内に8割以上が再発すると言われている。再発の場合は、初感染のときよりも症状は軽いことが多い。過労やストレス、セックスなどの刺激によって再発することがある。

「ヘルペスは、免疫力が低下することなどによって再発しやすくなりますので、過労やストレスをなるべく避けるようにするとよいでしょう。再発を繰り返す場合は、ウイルスの増殖を抑える治療もありますので、医師にご相談ください」。

症状が出ているときやかゆみなどの違和感があるときには、性交渉の前にきちんと医療機関を受診するなどの対処法を取るようにしよう。

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取材協力: アルバコーポレーション

STD(性病・性感染症)の不安を感じながらも対面での検査を受けにくいと感じている人のために、匿名で検査ができる郵送検査キット「STDチェッカー」による検査サービスを提供。運営サイト「STD研究所」を通して、STDについての正しい情報を発信し、STDにまつわるさまざまな不安や悩みの解決を目指す。