家事も育児も仕事も!! とにかくワーキングママには時間がない

この時期は、産育休から職場復帰するママが多い季節。新生活が始まり、「頑張るぞ! 」と意気込んでいても、自分自身の努力ではどうにもならないことでつまずくケースもあります。ここでは前回に引き続き、復帰直後のママが悩みがちなポイント3つについて解説します。

仕事へのモチベーション

仕事関連の悩みとしてもう1つあげられるのが「モチベーションが上がらない」というものです。時短勤務者を受け入れたことがない、あるいは、時短勤務者には負荷をかけないなどの方針を持っている職場にありがちです。

具体的には「時短勤務者は、作業的な業務が多く、育休前は主力となって仕事をしていたにもかかわらず、成長の機会を減らされている」などといった声が寄せられています。これについては

1.自分が変わる

2.周囲を変える

といった2つの方法があります。2は職場環境にもよりますが、1ができることで2にもつながると考えることもできます。自分自身がどのように職場で振る舞うかによって、チャンスを手にすることができるのです。

具体的には、指示待ちをやめて、自分から主導権を取りに行くこと。期限よりも2割早く仕上げることで余裕を持った業務遂行をする。あるいは業務フローを見直して提案するなど、さまざまなアプローチがあります。

「任せてください」と言葉で伝えたとしても、任せられるような体制ができていなければ、上司は不安になります。主体性を持って仕事に取り組み、任せてもらえる環境づくりを地道に行うことで、周囲からの見る目が変わります。くじけずに希望を持って、努力を重ねてみましょう。

子どもとのコミュニケーション

2013年に行われた、働くママの悩みに関するWEB調査では、「子どもと過ごす時間が足りない」と答えたママが84%。高い割合を占めました。育休中は毎日一緒に過ごせた子どもたちも、復職後は日中ずっと離れ離れ。平日は、怒涛の忙しさの朝と、保育園のお迎えに行って寝かしつけまでの数時間が子どもと一緒に過ごせる貴重な時間となります。

仕事をしている以上、一緒に過ごせる時間が少ないのは当たり前です。ここは「所与の条件」と割り切り、一緒に過ごす時間を濃密なものにしましょう。「子どもたちが寂しい思いをしているんじゃないか」という罪悪感を持っていたら、やはり子どもたちも実際に「自分は寂しい、ママが働いているからだ! 」と思ってしまいます。そうではなくて、「保育園って楽しいね」「おじいちゃん・おばあちゃんと一緒に過ごせて楽しいね」など、ママと一緒ではない時間も子どもたちが幸せに過ごせることを願って言葉がけするだけでも違います。

そして、一緒にいるときは抱っこしたり、頭をなでたり、スキンシップも大切にしましょう。親の想いは時間が短くても、しっかり伝わっていますよ。

家事などの負担

最後に肉体的にも負担として重くのしかかってくるのが、家事です。毎日の食事作りと洗濯、子どものケアは逃れることができないもの。これに関しては、いかにして自分が手をかけずに乗り切るのか、がポイントです。

我が家の場合は、夫が洗濯を干す担当で(どんなに夜中遅く帰って来ても……)、たたむのは子どもたち、食事については週に2回は実家のお世話になるなど、負担軽減のための方法を考え、実行してきました。諸外国などと比較すると、日本では「すべて完璧に、"自分で"」しようとするママが多いように見受けます。

最も頼りになるパートナーとの分担は、なるべく育休復帰前から明確にしておくとスムーズです。「自分がすべてやらなければ」との義務感にかられて行った結果、体調を崩し、中には入院してしまったママもいます。出産後、体調を崩しやすくなったという声もよく耳にします。自分自身の健康がなければ、仕事も、子育ても何もできません。負担軽減のために、家事の一部だけでも有料の家事代行を使ってみるのもいいでしょう。精神的にも肉体的にも、ずいぶんと楽になります。使わないと決めつけず、一度お試ししてみてはいかがでしょうか。

育休から復帰した直後は、おそらく一番大変なときではないかと思います。これから、子どもの成長に従い、お手伝いしてくれるようになったり、言葉もたくさんしゃべれるようになったり、楽しみが増えていきます。大変な毎日のなかで見つめるわが子の成長を楽しみながら、両立生活を充実したものにしてくださいね。

※画像は本文と関係ありません。

著者プロフィール

株式会社グローバルステージ代表取締役 大洲早生李
慶應義塾大学商学部商学科卒業後、株式会社日立製作所に入社。2003年より宣伝部愛知万博プロジェクトにて日立パビリオンの総合プロデュースおよび広報を手掛ける。
4年半の単身赴任生活を送った後、2008年に双子を妊娠。両立不可能となり退職。その体験から働くママ支援プロジェクト「キラきゃりママ」を立ち上げる。直後に第三子を出産。「母と子のリアルを、みんなで支える」をビジョンに、働くママの支援活動を開始する。
2011年4月に法人化、株式会社グローバルステージ代表取締役に就任し、ママと子どもを基軸としたマーケティング / PRコンサルティングを国内外で展開。2013年9月に一般社団法人日本ワーキングママ協会を立ち上げ、母たちが戦略的にキャリアを築き、能力を発揮できる社会の実現を目指す。6歳の男女双子、4歳男児の母。

株式会社グローバルステージ
東京ワーキングママ大学