経済産業省は15日、買い物弱者問題に関する調査結果を発表した。それによると、日本全国の買い物弱者数は推計約700万人に上り、2010年の前回調査時から100万人増加したことがわかった。

買い物弱者とは、流通機能や交通網の弱体化により「住んでいる地域で日常の買い物をしたり、生活に必要なサービスを受けたりするのに困難を感じる人たち」を指す。今回の調査では、60歳以上高齢者人口4,198万人(総務省調査)に「日常の買い物に不便」と感じている高齢者の割合17.1%(内閣府調査)をかけて算出した。

買い物弱者問題の全体像 推計結果(出典:経済産業省Webサイト)

同調査では、日本全国の買い物弱者数は増加傾向にあると指摘。今後、買い物弱者問題は、既に顕在化している農村・山間部といった過疎地域に加え、他地域でも深刻化するとし、特にベッドタウンや地方都市は高齢化率が高いため深刻度が高いと分析している。また、単身高齢者は「買い物を依頼できる人がいない」などの理由で買い物弱者化する可能性が高いとし、その数は今後5年間で11%、10年間で16%増加すると予想している。

その上で、買い物弱者問題は、健康問題や行政コストの増大といった波及的課題につながる可能性があると指摘。対策として、コンパクトシティの取組等が行政コストの低減に有効だとしている。