ドライブ旅行の楽しみのひとつがサービスエリアでのグルメだろう。その土地ならではの味が気軽に楽しめるともあって、「ちょっとトイレ休憩へ」と言いつつ、つい屋台や飲食フロアに足が向かってしまうもの。今回紹介するのは少し変わったホットドッグ、その名も「信州ドッグ」(各360円)。長野ならではの具を盛り込んだ、他ではまず味わえない変わり種が人気なんだとか。
上信越自動車道にある東部湯の丸サービスエリアの上り線では、長野県産の食材を使ったおしゃれで小粋なテイクアウトフード店がある。イタリアンショートパスタや揚げニョッキなどのメニューの中、さりげなく並んでいる3つのホットドッグ。それが、「Avanzare(アヴァンツァーレ)」の「信州ドッグ」だ。
えのき氷をソーセージに練り込んだ一品
信州ドッグの中でも特に人気なのが「えのき氷&野沢菜」。「"えのき氷"? えのきが凍っているの?? 」とお思いの方、大体そのイメージの通りである。正確に言うと、えのきをペースト状にして炒めて凍らせたもので、平成20年にエノキタケ生産量日本一の長野県中野市で開発されたそう。体内のコレステロールや中性脂肪を下げる働きがあるとされるエノキタケをより手軽に摂取するのにぴったりな食材となっている。
えのき氷は汁物や煮物の調理に使ったり、お茶やジュースに入れて飲んだりと使い勝手の幅は広い。そんな中、信州ドッグの「えのき氷&野沢菜」は、えのき氷をソーセージに練り込んだ珍しい逸品。さらに野沢菜をトッピングし、しそ風味であっさりとした味わいに仕上げている。
長野名物の一味にリンゴも
残る2つの信州ドッグ「一味&チーズ」「りんご&サルサ」にも、長野県産のご当地食材が意外な組み合わせで使われている。「一味&チーズ」は、江戸時代から七味唐からしを売る信州の老舗店「八幡屋磯五郎」の一味とうがらしを練り込んだ、ピリッと辛いソーセージを使用。そこに濃厚なチーズのトッピングでまろやかさがプラスされ、ちょっとぜいたくなホットドッグになっている。
そして「りんご&サルサ」も、全国2位のリンゴ収穫量を誇る長野県ならではのもの。甘い長野県産のリンゴを練り込んだソーセージをサルサソースが引き締める、甘くて辛いという複雑でくせになる味わいが楽しめる。
信州ドッグは、Avanzareを運営する「ホテル紅や」と「信州ハム」とが協力して開発した商品だ。もともと信州ドッグは、チーズ味とサルサ味、ハーブ鶏の3種だったそうだが、ホテル紅やの西澤達也支配人にうかがったところ、「もっと信州らしさのある旅の思い出となるようなご当地ドッグを開発したい」ということで、当時話題が高まっていたえのき氷に注目。そうして開発された「えのき氷&野沢菜」は、客からも「さっぱりしていていいね」と好評だという。
長野イチオシのグルメを盛り込んだ信州ドッグ、その意外な組み合わせにも注目していただきたい。
※記事中の情報・価格は2015年4月取材時のもの。価格は税込