葛西臨海水族園では、公式Webページにて、同園「世界の海」エリア「グレートバリアリーフ」水槽の「クギベラ」を紹介している。
メスか、オスかが不明の、「クギベラ」を展示
「クギベラ」は中部~西部太平洋、インド洋、日本国内では駿河湾以南に分布し、浅い海のサンゴ礁域や岩礁域で見られる。特徴はなんといっても鳥のくちばしのように尖った口で、その口を使って、サンゴの間などに隠れている甲殻類などを食べることができる。サンゴ礁域で暮らすために見事に適応した魚だという。
同園の水槽にいる「クギベラ」は体色が白地で後半が黒く、吻の上側が鮮やかなオレンジ色をした「イニシャルフェイズ」と呼ばれる段階の個体(イニシャルフェイズは「初期の段階」の意)となる。
かつて、ベラの仲間はメスからオスへ性転換する魚といわれており、性転換すると体の色や模様が変化し、オスとメスを区別できるとされていた。しかし最近の研究で、中には生まれつきオスの個体もおり、単純に割り切ることができないことがわかった。
そこで、成長や性転換にともなう体の色や模様の変化に応じて、初期段階の個体は「イニシャルフェイズ」、変化をした最終的な段階の個体は「ターミナルフェイズ」と呼んでいる。同園では性転換すると体の色や模様が変化すると考えられていたベラ科とブダイ科の魚にこの言葉を使用している。
水槽の中の「クギベラ」が、「メスなのか? はたまた体色が変化していないオスなのか?」は、飼育係たちにも不明。これから「イニシャルフェイズ」の個体を水槽へさらに足していく予定となる。そのうちのどれかが、鮮やかな緑色の「ターミナルフェイズ」へと大変身する様子を観察することができるかもしれないという。
同園の所在地は、東京都江戸川区臨海町6-2-3。