「ウーマンウェルネス研究会 supported by Kao」はこのほど、歯科医師の高柳篤史先生監修による、歯周病予防のための「歯ぐきのハレチェック」と「セルフケア2ポイント」について公開した。
高柳先生によると、歯周病を予防する上で、初期症状である「歯ぐきのハレ」に気づくことはとても大切であるという。歯ぐきのハレは、歯と歯ぐきの間に細菌が入り込むことで起きるが、軽度なものであれば、セルフケアで健康な歯肉に戻すことができるとのこと。
歯周病予防で大切な「歯ぐきのハレ」は、自分ではなかなか自覚しにくいという。そこで高柳先生は、チェックのための3つのポイントを挙げている。
1つ目は、最初に炎症が起こりやすい部分である「歯間乳頭」。健康な歯ぐきは歯間乳頭が引き締まり、三角形をしているが、はれていると先端が丸くなる。特に奥歯はブラシが届きにくいのではれやすい。
2つ目は「歯ぐきの色」。健康な歯ぐきは薄いピンク色をしているが、はれていると炎症し、赤みが強くなる。
3つ目は「ブラッシング時の出血の有無」で、出血があった時は歯周病の疑いが高い。健康な歯ぐきであれば、念入りにブラッシングしても出血することはないという。
歯周病予防のためのセルフケアで、心がけたいポイントは2つあるという。
1つ目は、歯周病の原因物質である歯垢(しこう)をしっかりと取り除くこと。高柳先生は、歯と歯ぐきの間を意識し、出血がある部分も避けずに歯垢(しこう)を除去することが大切とアドバイスしている。
2つ目は「歯ぐきの血流を回復する」こと。歯ぐきがはれると、歯垢(しこう)由来の毒素によって歯ぐきに炎症性物質などの老廃物がたまり、血流に障害が起きやすい状態となっている。歯ぐきにたまった老廃物を排せつし、歯ぐきをマッサージすることで、歯ぐきの健康を保つ効果が期待できるという。
健康な歯ぐきのためのマッサージ方法についても紹介している。歯と歯ぐきの境目に指や歯ブラシを軽く押し当て、小刻みに動かす。続いて奥歯から前歯の中央に向かって、滑らすように大きく動かしていく。さらに奥歯から前歯の中央に向かって、下から上へ弧を描くように(上の歯ぐきは上から下に向かって)動かすとよいとのこと。
なお、喫煙者の場合は、喫煙による血管収縮で、歯ぐきがはれにくいため、非喫煙者より歯周病に気づくのが難しい傾向にある。上記に記した3つのチェックポイントに当てはまらなくても注意が必要、としている。