「ウーマンウェルネス研究会supported by Kao」はこのほど、30歳~59歳の男女868名を対象に実施した「歯や口内の悩み」に関する調査結果を明らかにした。調査実施期間は2月19日~22日。
厚生労働省が年齢別に歯肉の状況を調査した「歯科疾患実態調査」によると、35歳~74歳の約8割は、「歯周病」(歯肉炎または歯周炎の合計)であるという。
しかし今回の調査では、「自分は歯周病だと思うか」という問いに対し、34.3%が「確信はないがそう思わない」、17.2%が「思わない」と回答しており、半数が歯周病に気づいていないことがわかった。同研究所では、30代以上に歯周病であることを自覚していない「かくれ歯周病」が多いと推測している。
歯科医師の高柳篤史先生によると、歯周病は進行しないと痛みや違和感を抱かないため、自覚しにくいという特徴があるという。「奥歯などの見えにくく、歯ブラシが届きにくい部位から歯周病が起こるのも、気づきにくい理由と言えます」(高柳先生)。
高柳先生は歯周病予防について、初期症状である歯ぐきのハレ(歯肉炎)に気づくことが大切であると述べている。歯ぐきのハレは、歯と歯ぐきの間に細菌が入り込むことで炎症が起きる。今回、歯や口の悩みで気にしていることがあるか調査したところ、「歯ぐきのハレ」と回答した人はわずか16.6%であることがわかった。
歯ぐきのハレが見つかった場合でも、軽度なものであれば、セルフケアで健康な歯肉に戻すことができるという。高柳先生は、「普段から、鏡で口の中を観察したり、歯科医院で定期健診を受けたりするなど、歯ぐきのハレを見落とさないようにしましょう」と、予防のポイントについて語った。