米Microsoftは4月10日(現地時間)、スマートフォンユーザー向けのWindows 10 Technical Previewの最新ビルドである「Build 10051」の提供を開始した。同ビルドには、3月末にPC向けWindows 10 TPのBuild 10049で初めて提供が行われた「Project Spartan」のWebブラウザが含まれており、スマートフォンでは初のSpartanを利用できるビルドとなる。このほかいくつかの新機能が含まれており、Windows Insiderアプリ経由または、すでにWindows 10 TPを導入しているユーザーは設定メニューから導入が可能。
同社では2月上旬からWindows Phone 8.1端末を持つユーザー向けにスマートフォン版Windows 10 Technical Previewの提供を開始しており、Windows Insider Programに登録したユーザーを対象にWindows Insiderアプリを通じてWindows 10の開発中最新ビルドの導入が可能になっている。当初は対象となる端末が旧Nokia(現Microsoft Mobile)のLumiaシリーズ6機種と非常に限定的だったが、3月末にはやはりLumiaシリーズ36機種にまで一気に拡大しており、テスト可能な環境が増えた。
今回提供が開始されたBuild 10051の対応機種は基本的に3月末公開のリストに則っており、唯一スケーリング表示で致命的なバグの見つかった「Lumia Icon」(米Verizon Wireless向けのハイエンド端末)の1機種を除く全35機種での利用が可能になっている。最大の特徴はWindows 10 Technical Preview for phonesとしては初の大型アップデートであり、Project Spartanを含む多くの新機能が加えられていることだ。ただしSpartanはデフォルトブラウザにはなっておらず、現在はまだIEとの併存状態であり、デフォルトブラウザとしての機能もIEが選択されている。またReading ViewやReading Listといった新機能もごく初期のバージョンであり、今後ブラッシュアップが行われていくと思われる。
このほか、デフォルトで導入されているアプリ(メール、カレンダー、電話、メッセージ、Peopleなど)がすべて新バージョンとなっており、Windows 10 for PCとの共通化アプリである「ユニバーサルアプリ」と置き換えられている。特に地図アプリに関してはユニバーサルアプリ化により、現在Windows 8.1 for PCで提供されている標準の地図アプリと同等程度の機能が提供可能になる。Windows Phone 8.1の地図アプリは日本では利用できないため、これによりWindows Phone端末においても標準状態のまま日本で地図が利用可能になると考えられる。またLumia 1520のような6インチクラスの端末では、新しいアプリ切り替え機能により、現在動作中のアプリがグリッドの格子状で一覧表示され、複数のアプリの中から素早く目的のアプリを選択可能になった。