気象庁・仙台管区気象台は4月13日13時30分、山形・宮城両県にまたがる蔵王山の火口周辺警報を発表した。

今回の警報での蔵王山の警戒範囲は、想定火口域(馬の背カルデラ)からおおむね1.2km

気象庁によると、蔵王山では4月7日以降、御釜付近が震源と推定される規模の小さな火山性地震が増加し、13日も多い状態が継続している。4月(4月13日14時まで)の地震回数も182回と多い状態となっており、2010年9月の観測開始以降、月別では最多だという。

同山の火山活動も活発となっており、今後も小規模な噴火が発生する可能性があるとのこと。想定火口域(馬の背カルデラ)からおおむね1.2kmの範囲では、噴火に伴って飛散する大きな噴石に警戒が必要となっている。また、風下側では火山灰や小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため、注意が必要。

坊平観測点に設置している傾斜計(火山活動による山体の傾きを観測する機器)およびGNSS(衛星測位システム全般)の連続観測による地殻変動観測では、地震の増加に伴う特段の変化は見られないという。また、13日に山形県警察本部が撮影した上空からの映像の解析では、御釜周辺に異常は認められず、遠刈田温泉(山頂の東約13km)および上山金谷(山頂の西約13km)に設置してある遠望カメラでは噴気は認められていないとのこと。同庁は、今後気象台が発表する情報に留意するよう求めている。

なお、蔵王町役場農林観光課によると、4月24日に予定されていた県道「蔵王エコーライン」の開通式および蔵王山の"夏山開き"は、今回の警報に伴い延期となったという。開催時期は未定となっている。