ライオンは、トイレの床にたまったホコリ「トイレダスト」について調査・検証を行い、このほどその結果を明らかにした。
2014年に同社が実施した調査によると、トイレ室内にたまるホコリは「たまりやすい」と31%が自覚しており、さらに67%が「気になる汚れ」と回答している。そこで今回、首都圏の7家庭でトイレ室内にたまるホコリを採取し、分析する実験を行った。
調査には黒いトイレットペーパーを用い、1週間後に回収したホコリの外観を観察した。マイクロスコープで観察したところ、主に綿および化学繊維とトイレットペーパー由来の細かい繊維とで構成されていることがわかった。同社は、「トイレ室内では、服の着脱とトイレットペーパーを使用時に切り出すため、ホコリがたまりやすいのでは」と分析している。
採取したホコリに存在する菌について分析すると、トイレのホコリからは1グラムあたりに数10万~数100万個もの一般細菌を検出した。1グラムあたり100万個以上の菌が確認できた家庭は半数で、リビングや寝室などに比べてトイレのホコリには多くの菌が存在することがわかった。
さらにその菌からは、ニオイの原因となるブドウ球菌や、菌種によっては食中毒の原因になる可能性がある大腸菌群の両方が検出されたという。
続いて、トイレのホコリが菌に与える影響について調べるため、トイレのホコリに存在することが明らかになった大腸菌群とブドウ球菌に、トイレットペーパーと綿を混ぜた「モデルホコリ汚れ」を加えて培養する実験を行った。
24時間後の菌数を調べたところ、両方の菌ともホコリを加えなかった条件と比べ、ホコリを加えた条件ではその数が約10倍に増加した。この結果から、トイレのホコリには多くの菌がいるだけでなく、ホコリ自体を栄養にしてさらに増えていることが明らかになった。