数多くの候補から自分好みのものを選択できるAndroidデバイス。高度なカスタマイズが可能なことも魅力であり強みです。しかし、その反面、わかりにくさを指摘されることもあります。ここではそんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、「いきなりSDカードを取り外してはいけないのはなぜ?」という質問に答えます。
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現在流通しているほとんどのAndroid端末には、マイクロSDカードスロットが用意されています。ここにカードを挿入すれば、内蔵カメラで撮影した写真やビデオ、オーディオファイル、その他アプリで使用する文書の保存先として利用できます。安い店では64ギガバイトという大容量のカードも3千円台で購入できますから、容量を気にせず使えるところがメリットです。
そのマイクロSDカードですが、取り外すときには事前処理が欠かせません。物理的に取り出す前に、Android OSで「アンマウント(マウント解除)」と呼ばれる処理を行ってからでないと、カード上のデータが破損する可能性があるからです。これはAndroid端末にかぎらず、SDカードなどの取り外し自由な記憶媒体(リムーバブルメディア)に共通の約束事です。
アンマウント(unmount)は、そもそもコンピュータ用語です。コンピュータに接続したハードディスクなどの記憶装置は、必要なプログラム(ドライバーソフト)を作動させたうえでシステムに認識させる必要があり、その一連の処理を「マウント(mount)」と呼びます。unmountの「un」は否定を意味する接頭辞で、記憶装置を取り外すときの一連の処理というわけです。
Androidにかぎらず、多くのOSのファイルシステムは記憶装置に書き込むデータを一時保管しておきます。それは、システムの処理に余裕が生じたとき実際に書き込む「遅延書き込み」を行うことがあるからです。アンマウントせずに記憶装置を取り外すと、一時保管状態のデータが書き込まれないままになるため、データが反映されないばかりかファイルの破損につながることもあります。マイクロSDカードを取り外すときは、事前に「設定」でアンマウントを実行するか、電源を切った状態で作業しましょう。