JR東海はこのほど、新幹線の車両検査のひとつである「交番検査」の周期延伸について国土交通省に変更届出を提出し、受理されたと発表した。
交番検査は集電装置・走行装置・ブレーキ装置・車体などの状態や機能、電気部品の絶縁抵抗について、分解せずに営業運転のままの状態(在姿状態)で行う検査。現在、「30日または走行距離3万km以内」と検査周期を定めている。
JR東海は車両の性能向上を踏まえ、過去の使用実績や検査実績から安全性を確認し、試験車両での検証を実施した結果、現在より検査周期を伸ばしても問題ないと判断。N700AとN700系(改造車両を含む)について、交番検査の周期を「45日または走行距離6万Km以内」に変更することとした。交番検査周期の延伸は1964(昭和39)年の東海道新幹線開業以来初めて。同社はそのメリットに関して、「検査周期が延伸されることにより車両運用効率及び検査効率の向上が可能となります」と発表している。
なお、新幹線の車両検査には交番検査のほか、おおむね2日に1回行う「仕業検査」、18カ月または走行距離60万km以内に行う「台車検査」、36カ月または走行距離120万km以内に実施する「全般検査」があるが、これらについては現行通りとのこと。