JR北海道は江差線札苅~木古内間で4月5日に発生した停電の原因について、電車に電源を供給する「き電線」を吊り下げている絶縁碍子が老朽化と塩害で腐食し、破損したためと発表した。

新青森~函館間で運行される特急「スーパー白鳥」

停電は同日17時47分に発生し、復旧作業を経て20時53分に運転を再開したが、特急2本を含む4本が運休したほか、6本に50分から最大4時間15分の遅れが生じ、約500人の足に影響が出たという。

絶縁碍子は直径25cmの円盤状で、5個連なった形状。JR北海道によると、5個をつないでいた金属部分が老朽化と塩害で腐食し、強風の影響もあって上から4番目と5番目の間で破損。上から5番目の碍子だけが下へ下がる形となり、その重みで垂れ下がったき電線が架線を支える可動ブラケットに接触してショートしたという。破損した絶縁碍子は1984年製で、津軽海峡線が開業した1988年当時から設置されていたもの。直近の検査は2014年4月15日で、とくに異常はなかったという。

今回のトラブルを受けて同社は、同様の環境にある江差線の同種設備について4月中旬までに緊急点検を実施すると発表。腐食が進行している絶縁碍子を計画的に取り替えるとしている。