フィリップス エレクトロニクス ジャパンはこのほど、唾液の量を多く分泌させるために、歯科医師がすすめる唾液分泌メソッドを公開した。

耳下腺マッサージ(イラスト出典先/厚生労働省 e-ヘルスネット歯・口腔の健康の「要介護高齢者の口腔ケア」)

同社によると、唾液はオーラルケアで重要な要素の一つであるという。唾液の分泌が少なく、口の中が乾燥していると、虫歯や歯周病になりやすい。それらの疾患の症状が進むと、歯を失ってしまうリスクも高まる。

医療法人社団誠敬会 誠敬会クリニック内科・歯科の田中真喜先生は「唾液の分泌量は年を重ねるにつれ少なくなる傾向にありますが、加齢だけが原因ではありません」と解説する。「ストレスを抱える人が多くなっていることで、唾液の"質"も悪化している人が多くなっています。質の悪いネバネバ唾液は、唾液の働きが弱まり、口内の細菌が繁殖しやすくなります」。

正常な口の状態は、サラサラとした唾液が、口の中でダラダラと分泌されていることだという。それでは質のよい唾液をたくさん分泌させるにはどうしたらよいのだろうか。田中先生は、普段の生活の中で気軽に取り入れられる「唾液の分泌量を増やす」ためのお勧めメソッドを紹介している。

まず、大切なことは「唾液を分泌させるための生活習慣の見直し」だという。「食事の際はよく噛(か)んで食べることで、唾液の分泌量が増えます。食事はやわらかいものばかりでなく、固いものも食べることも必要です」(田中先生)。

「ストレスを溜め込まない」ことも大切なことと言える。田中先生によると、緊張しやすい人や不規則な生活を送ることが多い人は、唾液の分泌量が減少している可能性があるという。「規則正しい生活と、心がリラックスできる時間をとりましょう」(田中先生)。

また、唾液を分泌させるマッサージも有効とのこと。耳の下やあごの下、舌の下には唾液腺があり、そこを刺激すると分泌が促進される。

例えば、「耳下腺マッサージ」は、耳たぶのやや前方、上の奥歯のあたりを指全体で押して刺激する。「顎下腺・舌下線マッサージ」は、親指を下あごの内側の付け根から先端にかけて押しあてながら滑らせていく。

顎下腺・舌下線マッサージと唾液腺の位置(イラスト出典先/厚生労働省 e-ヘルスネット歯・口腔の健康の「要介護高齢者の口腔ケア」)

また、歯ブラシを使うと、ほおの内側の"きょう粘膜"が刺激され、唾液の分泌量が増える。電動歯ブラシを使用すれば、繊細な振動で、唾液の分泌が一層促進されるとのこと。