日本銀行は、7~8日に開催した金融政策決定会合において、当面の金融市場調節方針を決定した。資金供給量(マネタリーベース)を年間80兆円規模に増やす金融政策「量的・質的金融緩和」の継続を、賛成8人、反対1人の賛成多数で決めた。

景気の基調判断については、「緩やかな回復基調を続けている」に据え置いた。なお、木内登英審議委員から、マネタリーベースおよび長期国債保有残高が、年間約45兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節および資産買入れを行うなどの議案が提出されたが、反対多数で否決された。

消費者物価(生鮮食品を除く)の前年比については、消費増税の影響を除くと「0%程度となっている」とし、前回の「0%台前半となっている」から下方修正した。他方、設備投資については「企業収益が改善するなかで、緩やかな増加基調にある」、鉱工業生産については「持ち直している」とし、それぞれ判断を据え置いた。

経済の先行きについては、「緩やかな回復基調を続けていくとみられる」との見方を維持し、リスク要因として、新興国・資源国経済の動向、欧州における債務問題の展開や低インフレ長期化のリスク、米国経済の回復ペースなどを挙げた。