人生で一番大きな買い物となる、住宅購入。何かとお金がかかる子育て世代にとって、ベストな購入時期とはいつなのでしょうか。今後の増税や金利の変動などが与える影響も気になるところです。家庭ごとのライフプラン、外的要因という2つの要素から、購入のタイミングについて考えてみましょう。
購入のベストタイミングは家庭によって異なる
住宅購入に最適なタイミングというのは、あるのでしょうか。まず、購入をする前にしっかり考えて、道筋を立てておくべきなのが「ライフプラン」です。子どもの人数、教育費の概算(学校は公立か私立かなど)、キャリアアップや転職などによる収入の変化など、今後の人生で実現していきたいプランを描きます。そして、何歳になったとき、具体的にいくらお金がかかるのかを考えてみます。
例えば、現在夫婦共に30歳で1歳の子どもが1人、2~3年以内に第2子を出産希望で、学校は高校まで公立、大学は私立への入学も視野に入れるという希望があるとします。ならば、第2子出産後から、習い事などで教育費が増えてくる小学校高学年になる前までに住宅を購入しておきたい、といったプランが浮かび上がります。その上で、資金の用意が調い、理想的な物件と出会ったときが、ライフプランから見た住宅購入のタイミングとなるでしょう。
購入の際は、物件価格の2~3割の頭金を用意するのが一般的です。素晴らしい物件に出会っても、頭金が無い状態で見切り発進すると、返済に苦労することになるかもしれません。また、資金が調っても、子どもが幼稚園から小学校へ進学するタイミングで引っ越したいなどの希望も出てきますので、ベストタイミングは家庭によって異なるということです。
20代~30代で、子どもが小さいうちに住宅購入をするメリットは、子どもの大学進学まで時間があるため、住宅購入にお金を使っても、余裕を持って教育費の準備ができることや、30年、35年という長期の住宅ローンを組んでも、定年までに返済が可能になり、老後の生活を圧迫しないことなどがあります。一方、収入が十分になく、購入できる物件の選択肢が狭くなり、ライフプランの変更により購入した住宅が不適切になるなどのデメリットもあります。
消費税増より金利アップが痛い
次に、税金や金利などの外的要因はどうでしょうか。現在8%の消費税が2017年4月に10%へ引き上げられると、建物価格3000万円の物件を購入した場合、60万円の負担増です。けれど、住宅ローン控除の期間も増税に伴い延長される見通しなので、申請すれば最大で年間40万円の税金が戻ります。
ダメージが大きいのは、消費税アップより、金利の上昇です。物件価格3000万円で、仮に住宅ローンの金利が2%アップした場合、1000万円以上の負担増となります(固定金利、変動金利、借入期間などにより増加額は異なります)。現在の金利は歴史的に見ても低水準にあり、2015年中も引き続き低金利は続きそうなので、金利の面からすると、購入に適したタイミングと言えるでしょう。
ライフプランや資金などの準備が整っているなら、物件探しをしてみてはいかがでしょうか。準備がまだなら、夫婦で相談してプランを立て、今後の金利動向をにらみながら、最適なタイミングをとらえてください。
※画像は本文と関係ありません。
著者プロフィール
武田明日香
エフピーウーマン所属ファイナンシャル・プランナー
南山大学経済学部卒業後、大手印刷会社に入社。2010年に、法人営業の仕事をしながら自己啓発のためにファイナンシャルプランナーの資格を取得。「女性がライフステージで選択を迫られたときに、諦めではなく自ら選択できるための支援がしたい」という想いから、2013年にファイナンシャルプランナーに転身。日本テレビ「ZIP!」やTBSテレビ「あなたの損を取り戻せ 差がつく!トラベル!」、「Saita」「andGIRL」等の雑誌、「webR25」「わたしのマネー術」等のウェブサイトなど幅広いメディアを通じ、お金とキャリアの両面から女性が豊かな人生を送るための知識を伝えている。
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