Dropbox Japan(Dropbox)は7日、ソフトバンク コマース&サービス(ソフトバンク C&S)と提携し、ビジネス向けサービス「Dropbox for Business」の利用を推進すると発表した。ソフトバンク C&Sを主要代理店として国内販売を進め、日本企業との連携を加速。今後5年間で100万ビジネスユーザーの獲得を目指す。
日本企業との連携加速を発表した、Dropbox Japanの記者説明会。左がDropbox Inc.のCEO兼共同創業者、ドリュー・ハウストン氏。右がDropbox Japan代表取締役社長の河村浩明氏 |
また、各企業とパートナーシップを締結。アイ・オー・データ機器、アイキューブド システムズ、アルプス システム インテグレーション、インヴェンティット、インターコム、インターナショナル システム リサーチ、ウイングアーク 1st、a2media、サイバネット システム、サイボウズ、ジェーエム エー システムズ、MEDIAEDGE、レコモットなど13社と業務提携。ビジネス向けDropbox APIを公開し、各企業によるサービスとDropboxの連携を広げる。
具体的には、例えばPC周辺機器を展開するアイ・オー・データ機器との協業では、アイ・オー・データ機器製の法人向けNAS「LAN DISK H」シリーズに、Dropboxとの自動同期機能を追加する。また、サイボウズとの協業では、業務アプリ構築クラウド「kintone」とエンタープライズ向けクラウドストレージサービス「Dropbox for Business」との連携ソリューションを、今秋に提供開始する。
日本は有償サービスのヘビーユーザー
オンラインストレージ「Dropbox」が正式サービスを開始したのは2008年8月。2015年3月時点で3億以上のユーザーを獲得し、20カ国語をサポート。ビジネス向け「Dropbox for Business」は2014年末に営業を開始し、現在10万ユーザーを獲得するに至った。シンプルで分かりやすい、ユーザー主体のサービスを心がけてきたとする。
記者会見で登壇したDropbox Inc.のドリュー・ハウストンCEO兼共同創業者は、日本市場を選んだ理由について、日本のユーザーがDropboxのリリース後早い段階でサービスを使用しており、また日本の有償ユーザーは世界的にみてファイル保存数が突出して多く、有償サービスのヘビーユーザーであるともコメント。
これを「生活の中に便利なサービスを取り入れると、お金を払うことを厭わない人が多い」と分析しており、日本のビジネスユーザーの5人のうち4人が会社でのファイル同期・共有ソリューションに不満足であるという調査結果を踏まえ、日本のビジネス市場での販売を推進するとした。
また、Dropbox Japan代表取締役社長の河村浩明氏は、「世界有数のDropbox有償サービス活用国である日本で安心してDropboxを使えるようになると、爆発的に広がる可能性がある。日本企業の生産性、競争力が飛躍的に高まると思っており、これがDropboxの会社としての使命」とも語った。
日本の生産性、成長にコミットしたい
日本は世界的にみてビジネスのし易さが29位(The world bank調べ)と低く、また、1時間あたりの労働生産性もノルウェーの半分(OECDおよびProf.Dan Ben-Davidによる調査)という。
日本の就業人口は、中小企業が全体の7割、大企業が3割という。同社はこの7割にフォーカスし「Dropbox for Business」の活用を推進。ソフトバンク C&Sによるスケール性を強みとして、(ソフトバンク C&Sの)日本市場への知見やスケーラビリティなどを活かし、「7割の中小企業にいかに気持ちよく使ってもらうか。これを促進するなかで、日本社会の成長にコミットし、社会全体の生産性を向上する」(河村氏)と抱負を述べた。