近年、スマートフォンを使ったクーポンや電子チケットなどのサービスが徐々に活用されるようになっている。スマートフォンの情報をリアルなサービスやイベントと結び付ける、いわゆるOnline to Offline(O2O)として注目されている分野だ。
マップ系情報マガジンアプリ「ちずコレ」では、新たにビーコンを利用してスタンプを集めるビンゴラリー/スタンプラリー機能が追加された。同機能はイベントによって選択でき、アプリを起動して店舗や観光スポットなどに設置されたビーコン端末に近づけると、アプリ内のカードに"スタンプ"が受信されるというものだ。ビンゴラリーは単にスタンプを集めるだけでなく、ビンゴを揃えるために、回る店舗や観光スポットを十分チェックしないといけない。この機能を使った大規模なビンゴラリーが、間もなく『徳川家康公顕彰四百年記念事業(以下、家康公四百年祭)』の中で行われる。
第1回:【インタビュー】雑誌スタイルのマップ系アプリ「ちずコレ」 - 自家製コンテンツにこだわる理由とは?
第2回:【レビュー】「ちずコレ」はディープなスポットも教えてくれる地図情報アプリだった
スマホを使った新感覚ビンゴラリー
家康公四百年祭は徳川家康公薨去四百年(2015年がその年にあたる)を機に、愛知県岡崎市・静岡県浜松市/静岡市を中心に、1年間をかけて数々の催しが行われる大規模なイベント。家康公ゆかりの地での四百回忌法要や、講演会・シンポジウムといった多数の記念行事や、岡崎市「家康行列」や静岡市の「静岡祭り」といった恒例のイベントにも注目が集まる。
こうした中、エリア内各所にある家康公ゆかりの地を巡ってもらい、イベントを盛り上げようと企画されたのが、ちずコレのマップを利用した「家康公葵旅 ~家康公ゆかりの地をめぐるビンゴラリー~」だ。
対象となるスポットに用意されたパネル(裏にビーコン端末を設置)に、ちずコレを起動しカード画面を表示させた状態でスマートフォンを近づけるとスタンプが獲得でき、ビンゴが揃うとアプリ内から賞品に応募することができる、という仕組みだ。
ビーコンを使ったO2Oは、集客ツールとして飲食店チェーンで使用されたり、エリアを限定した実証実験などで用いられているが、こうした大規模・広範囲な参加型イベントに用いられる事例は珍しい。今回ちずコレをベースにしたシステムが採用された理由はどこにあったのだろうか。
地図+スポット情報でイベントをもっと楽しむ
様々な場所を巡ってスタンプを押していくスタンプラリーは、鉄道の駅や観光プロモーションなどで定番となっているイベント。だが、家康公四百年祭は自治体をまたぎ広いエリアが対象となるため、スタンプ台紙を印刷・配布し、対応スタッフを配置するだけでも膨大なコストがかかる。また、スポットの数が多いため、参加者に対して各スポットの情報を十分に提供することも難しい。
ちずコレのビンゴラリー/スタンプラリー機能は、こうした課題に対するソリューションとなった。台紙の機能をアプリに搭載することで、印刷・配布は必要なくなり、スマートフォンが手元にある限り参加者が台紙を紛失する心配もない。テーマで特集した「マップ」という形で、スポットの詳細を見やすい形で提供するプラットフォームも整っており、ナビゲーションと連動すれば参加者の的確な移動もサポートできる。応募者数もシステムで常時確認できるため、応募用紙の集計と比べ、コスト削減が実現できる。
また、ただスタンプを集めるだけでなく、ビンゴ機能を搭載してゲーム性を高めたのもアプリならではの演出。さらにスタンプ製作やインクのメンテナンス、台紙の回収といった作業にかかるコストも削減が可能。同イベントではその分のコストを参加者への賞品に充て、より豪華な品を用意したという。
また、ベーシックなスタンプ台紙とスタンプデザインをビンゴラリー/スタンプラリー機能の一つとして用意されている。イベント主催者の要望に合わせ、家康公四百年祭のようなスタンプ台紙やスタンプのオリジナルデザインにも対応。
総務省が発表した「平成26年版 情報通信白書」によると、2013年末時点でスマートフォンの世帯普及率は6割を超えている。その後、消費増税前の駆け込み需要やMVNO事業者の急増が影響し、現在はさらに普及率が高まっていると考えられる。こうしたスマートフォンを使ったイベントが、幅広い世代に楽しんでもらえる環境は、十分に整っていると言えるだろう。
「何しようかな?」そんな時は検索よりちずコレで!
イベントでの活用が期待されるちずコレだが、こうしたイベントばかりでなく、日頃から地元密着の身近な情報を提供している雑誌感覚のアプリだ。カップルで楽しめるデートスポット、家族連れにおススメのイベント、日帰り旅行に最適な観光情報など、多くの人が楽しめるテーマで特集を掲載。行きたいスポットは「お気に入り」に入れて自分専用の"行きたい場所マップ"を作ることができる。ちずコレ編集部制作による信頼できる情報であることも特長だ。今後はさらに、スポットごとに利用者のコメントをシェアできる機能搭載も計画されており、クチコミによる一層の情報充実が期待される。
ちずコレ編集部によると、ちずコレのコンセプトは「目的を探してもらうアプリ」だという。何かしたい、どこかへ行きたいと思った時、検索ワードを考えるよりも「ちずコレ」を開いてみれば、自分の思いもつかなかったテーマから、行きたい場所や役立つ情報に出会えるかもしれない。
進学、就職、転居などでこの春から生活圏が変わったという方も、学校や職場、新居の近隣をちずコレでチェックしてみてはいかがだろうか。新しい情報を見つけることで、日々の生活が楽しくなるはずだ。