AppleのiPadが米国で販売開始されてから4月3日で5周年を迎えた。発売されてから1カ月後には販売台数100万台を突破、この5年間で2億5,000万台以上が売れたという。また、iPad専用の審査済みアプリは72万5,000タイトルを越えた。
iPadは2010年1月28日、 サンフランシスコで開催されたイベントで最初のモデルが発表となり、同年3月12日から米国内のApple Online Store、Apple Store実店舗で予約受付が開始された。発売の1週間前には、Apple Store実店舗とほぼ全店のBest Buyで購入可能になるというアナウンスが流れ、4月3日に販売が開始されると爆発的に売り上げを伸ばし、1カ月で販売台数100万台を突破。この時すでに、ユーザーはApp Storeから1,200万本を超えるアプリを、iBookstore(現在はiBooks)から150万本以上の電子書籍をダウンロードしていたという。
iPadがその後も人気を博したことについては論を俟たないが、この5年間での売り上げ台数は、なんと2億5,000万台を越えているとのことである。昨年10月に開催されたiPad Air 2とiPad mini 3、iMac Retina 5Kディスプレイモデルなどを発表したスペシャルイベントでは、同社のCEO・Tim Cookが、2014年第三四半期までの12カ月間のPC出荷台数はiPadが第1位であったことを報告した。同氏は同イベントで顧客満足度も1位であると述べたが、これについては興味深い調査結果が残っている。米調査会社ChangeWave Reserchによれば、2014年5月に行ったリサーチでは、iPad Airについては98%のユーザーが製品に満足しているという数字が出ている。さらにiPad mini Retinaディスプレイモデルにいたっては100%、すなわち購入したすべてのユーザーが満足しているというのである。にわかには信じ難い数字だが、こういった調査にも表れている満足度の高さが、iPadが継続して売れている理由のひとつであることには間違いない。
日本国内においても、IDC Japanの調査報告によれば、2014年の国内タブレット端末出荷台数は2013年に引き続き、アップルが年間シェア44.3%で首位。 2位につけたASUSのシェアは10.3%ということで、他社に圧倒的大差をつけていることが明らかになっている。年末商戦期を含む、2014年第4四半期(10月-12月期)だけも参照してみても、アップルのシェアは44.9%で首位。2位の富士通は(8.3%)で、やはり大きく水を水をあけられた結果となっている。
一方、Androidスマートフォン同様、他のタブレットは叩き売りに近い状態で販売することでシェアを維持しているが、その結果、実際には使われていないという現象が起きているようだ。発売から数カ月後にサポートが打ち切られるというケースも少なくなく、iPadのように、ユーザーが安心して継続利用できるという環境を提供できていない。
似たようなものは他にも沢山あるが、iPadはまったく違うレベルの製品である。単に軽くて薄い、Retinaディスプレイが綺麗といった特性だけに留まらない。それは前述のように継続して利用が可能であること(このことは特に教育分野では大きなアドバンテージとなる。等質な教育現場の実現が可能となる)、セキュリティが強固であること(最新モデルのiPad Air 2とiPad mini 3ではTouch IDも搭載され、さらに安全性が高められている)といった点にも表れている。これらは、ハードとOSとサービスをひとつの会社が行なっているからこそ達成できたことだ。そして、それはまたAppleの伝統でもある。
発売から5年、iPadは人々のコミュニケーションやライフスタイルにも変化を齎した。2013年に発表された「Apple - Making a difference. One app at a time.(アップル - 一つひとつのアプリケーションが、より良い世界への一歩になります。)」に登場する、発話における意思疎通に困難のあるエンリケくんがiPadを使って周囲の人々とコミュニケーションを図っている様子は、好例と言えるだろう。
Apple - Making a difference. One app at a time. |
そしてこれからも、iPadは人々の生活を変えていく。