阪神電気鉄道はこのほど、新型普通用車両5700系の導入を発表した。今年度は4両編成1編成を導入し、夏以降に営業運転を開始する予定。その後も順次新造するという。

阪神電気鉄道の新型車両5700系

普通用車両は現在、5000系・5500系が活躍中。5700系は1995年にデビューした5500系以来、20年ぶりの新形式となる。同車両では、「人へのやさしさ」「環境へのやさしさ」を追求し、サービス設備の刷新と新技術の採用を積極的に進めた。外観は普通用車両の伝統であるブルーを配したステンレス車体で、出入口部分に円形グラフィックをデザインし、「各駅に停車する普通車のやさしさ」を表現している。

車内の床・座席には摂津灘の水模様をアレンジしたデザインを施し、吊り手や出入口部分の取っ手にもブルーを配した。万一の事故や急ブレーキ時に備えて吊り手・握り棒が増設され、座席の中間・端部に仕切板も設置。優先座席はシート・吊り手ともに緑色に統一している。車両間貫通扉を全面ガラス化して開放感を高めたほか、出入口部分に32インチハーフサイズの車内案内表示器(液晶式)を設置し、停車駅や乗換案内などの情報を表示する。

客室照明・前照灯などすべての照明器具がLED化され、車外行先表示器もフルカラーLED式に。主回路システムにVVVFインバータ制御(電力回生ブレーキ付き)を採用し、既存の普通用車両(5001形抵抗制御車)との比較で消費エネルギーを約50%削減したという。5700系の定員は1編成あたり514名(座席173名、立席341名)とされている。