カシオ計算機のプロジェクター技術を応用した小型サイネージ機器「カシオサイネージ」を売場に設置したことで、その売場の販売実績が倍増した家電量販店があるという。真相を確かめるべく「エディオン広島本店」を訪れ、担当者に話を聞いてきた。

カシオ計算機のプロジェクター技術を応用した小型サイネージ機器「カシオサイネージ」を売場に設置したことで、その売場の販売実績が倍増した家電量販店が広島にあるという。

その店舗では、どのようにして実績倍増に成功したのだろうか? 店舗経営者ならずとも気になるところだ。真相を確かめるべく「エディオン広島本店」を訪れ、担当者に話を聞いてきた。

エディオン広島本店(広島市中区紙屋町)。JR広島駅から伸びる相生通りと広島城へと続く鯉城通りが交差する、賑やかな交差点の一角に位置している

カシオサイネージとは?

カシオサイネージは、パネルに投映したキャラクターが来店者に語りかけるユニークなデジタルサイネージ機器。家電量販店の店頭スタッフに代わり、製品の簡単な説明を行うこともできる。エディオン広島本店では、カメラのフロア(新館7階)内に設けられているカシオのデジタルカメラ「エクシリム EX-ZR50」コーナーに、このカシオサイネージを設置したところ、販売台数が約2倍に伸びたという。

エディオン広島本店の「エクシリム EX-ZR50」コーナーの様子。カシオサイネージが「EX-ZR50」の案内をしていた

「EX-ZR50」のコーナーに向かうと、エディオンの制服を着た女性販売員風のキャラクターがカシオサイネージに投映されていた。本体前面に設置された4つのボタンを押すことで、来店者が自由に「EX-ZR50」の特長を確認できる仕様。フロアの入り口付近に設置されていることもあり、足を踏み入れるとカシオサイネージが目に入るようになっていた。

カシオサイネージにはエディオンの制服を着た女性販売員風のキャラクターが投映されていた。時々まばたきをしながら、自然な表情で来店者に話しかける

本体前面に搭載された4つのスイッチにより、来店者が「EX-ZR50」の特長を確認することができる仕様だ

エディオン担当者にカシオサイネージの効果を聞いてみた

さて、デジカメ売り場で一際目をひくカシオサイネージだが、設置後にどのような効果が現れたのだろうか? エディオン広島本店の新館7階フロア長の松島幹夫氏に話を聞いたので、紹介しよう。

―― どういった経緯でカシオサイネージを設置されたのでしょうか?

広島本店では昨年の一時期、テスト導入させていただき、手応えを感じていました。カシオサイネージの販促効果に期待していたところ、今回、エディオンの150店舗に導入が決まり、広島本店にも設置させていただきました。

―― 設置されたカシオサイネージをご覧になっての第一印象は?

キャラクターが動くので、インパクトがありますよね。販売員も驚いています。エディオン広島本店では、販売員がカシオサイネージを操作しながら、「EX-ZR50」の特長をお客様に説明するスタイルをとっています。

こちらがカシオ計算機のデジタルカメラ「EX-ZR50」。全面チルト液晶を採用しており、自撮りに適している

―― 実際に設置してみていかがですか?期待していた効果は出ていますか?

面白い店頭販促だと感じています。お客様も「なにこれ? 」と不思議がって近づいていただけます。2月に導入したんですが、導入前の1月と比較すると「EX-ZR50」の販売台数が約2倍になりました。

取材中にも、カシオサイネージの前で足を止める来店者の姿が見られた。販売員もカシオサイネージを取っ掛かりにできるので、「EX-ZR50」の商品説明がしやすそうだった

カシオサイネージのパネルに広島カープの黒田博樹投手や、サンフレッチェ広島の選手を使うというアイデアを思いつきました。難しいかも知れませんが、如何でしょうか?

面白いと思います(笑)。カシオサイネージは、使い方によって可能性がどんどんと広がっていくのではないでしょうか。

―― お忙しいところ、ありがとうございました。

*  *  *

今回の取材を通じて、エディオン広島本店ではカシオサイネージを効果的に使っていることが分かった。もちろん、他のカメラメーカーも販促活動に力を入れていないわけではない。大型ディスプレイを設置し、盛んに製品の特長をアピールしている。

しかし昨今は、ディスプレイに動画を流すだけでは来店者の足を止めることは難しくなってきている。だが、カシオサイネージのようなインパクトのある店頭販促機器であれば来店者は足を止めてくれるようだ。

カシオサイネージは、店舗の特性に合わせたコンテンツを投映できる。エディオンでは、流行りの"自撮りスティック"と連携した使い方をアピールする内容を、カシオサイネージに投映している。ちなみに、これはエディオンの要望に基づいてカシオが制作した映像だという。エディオン広島本店では、自撮りスティックと絡めた売り場づくりを行っていた。このあたりにも、売り上げが倍増した秘密が隠されているように感じた。

店頭での売り方が面白ければ、消費者にも製品の良さが響く。今回、それを実感した。カシオ計算機の今後の販促活動にも注目したい。