プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパンはこのほど、小学生以下の子供を持つ母親300名を対象に実施した「台所除菌の実態」に関する調査結果を明らかにした。調査期間は2月17日~18日。
まな板など台所用品の除菌について聞くと、「実践している」は71.7%、「経験なし」は28.3%だった。3割の家庭で、台所用品は除菌されないまま放置されていることがわかった。
子どもの弁当を作るときの菌対策を聞くと、「お弁当箱をきれいに洗う」(70.7%)、「調理前・調理中に十分に手を洗う」(67.7%)、「肉や野菜など加熱が必要な食材は十分に加熱する」(62.7%)が多く挙げられた。「包丁、まな板、ふきん、たわし、スポンジなど調理用具を除菌する」は34.0%で、残る66.0%は、弁当への"菌うつり"対策をしていないことがわかった。
また、台所の菌対策でも「包丁、食器、まな板、ふきん、たわし、スポンジなどを除菌する」(45.7%)は半数以下となっている。
除菌についてどんな考えを持っているのか聞くと、83.0%が「除菌はしているが、どの程度効果があるのかわからない」 「正しく除菌できているのか自信がない」と回答した。「子供にとって効果があるように除菌ができているのか自信がない」(81.7%)、「きちんとした除菌方法がよくわからない」(80.0%)という回答も8割以上を占めている。
菌の専門家である近畿大学農学部の坂上吉一先生によると、春は菌の増殖スピードが速くなり、家庭内の菌が増え始める季節であるという。特に水が多く存在し、食品も扱う台所は「菌に囲まれた状態」になる。
中でも注意したいのが、まな板などの調理器具だ。こまめにケアしなければ、食中毒菌などの温床となるリスクも高まる。「まな板などの台所用品から菌が食材にうつり、お弁当箱で増殖する"菌うつり"も要注意です」(坂上吉一先生)。
そこで、気温が高くなる春は、菌が活発化する時期であることを伝えた上で、台所用品の除菌に取り組みたいか尋ねると、82.3%が「取り組みたい」と回答した。"弁当の菌うつり"についても、知れば除菌に「取り組みたい」と回答した人が84.7%にのぼる。除菌をしないことの危険性を知れば、除菌の意識は高まるようだ。