俳優・岸谷五朗と寺脇康文による演劇ユニット「地球ゴージャス」の20周年記念公演『地球ゴージャス20th Anniversary Gala Concert』が29日、千葉・舞浜アンフィシアターで行われ、三浦春馬、宮澤佐江(SKE48)、YU-KI(TRF)、大地真央ら豪華出演陣が集結した。
同公演は、地球ゴージャスがこれまで上演してきた13作品から、えりすぐりのパフォーマンスを披露するもの。この日のみの公演で、チケット4,000枚は発売と同時に完売し、全国の映画館で行われたライブビューイングでは6,000人を動員するなど、人気を見せつけた。
三浦春馬は、2012年に上演した『海盗セブン』の楽曲に乗せて登場。若手俳優6人を従え、伸びやかな歌声を響かせた。曲の途中には、ジャケットを脱ぎ捨て、セクシーなシースルーの衣装に変身。激しいダンスを繰り広げると、会場は絶叫に包まれた。その後も三浦は、自身の初舞台となった『星の大地に降る涙』(2009年)のメドレーにも出演。EXILEが提供した主題歌「愛すべき未来へ」を歌い上げるなど、大いに活躍した。
宮澤佐江は、昨年上演された『クザリアーナの翼』のメドレーから出演。激しいダンスナンバーやしっとりと歌うソロナンバーを情感豊かに演じ、主人公に淡い恋心を抱きながら革命に倒れるという役柄の少女が、再び舞台の上に現れた。このパートでは、元宝塚のトップスター、湖月わたるも参加。『クザリアーナの翼』のラストナンバーは、今回の公演の中でも圧倒的な存在感を示した。
クライマックスは、10周年記念公演で、故・本田美奈子.の最後の出演作品『クラウディア』(2004年)のコーナー。桑田佳祐の音楽でつづられた作品で、寺脇と本田のデュエット曲「栞のテーマ」に乗せ、本田の代わりに宮澤が寺脇とともに登場した。さらに、当時出演していたYU-KIが「イエローマン」を熱唱。そこに岸谷と寺脇も現れて、タイトル曲「OH!クラウディア」を歌い始めると、大きなスクリーンに在りし日のクラウディアを演じた本田の笑顔が映し出され、会場に感動が広がった。さらに、桑田がこの舞台のために書き下した主題歌「FRIENDS」が流れ、スクリーン上の本田美奈子.の歌声とステージ上のメンバーの歌声がコラボレーションし、会場も出演者の熱も最高潮に達した。
エンディングは、出演者全員が、旗揚げ公演『瓶詰の地獄』(1995年)のテーマ曲「今日の日はさようなら」を合唱。岸谷と寺脇の心情を表す「いつまでも絶えることなく友達でいよう」という歌詞が、20周年のラストにぴったりの演出となった。
そして、出演者が退場した後に、2016年1月9日から、東京・赤坂ACTシアターで地球ゴージャスの新作公演が行われることを映像で発表。その後、名古屋・愛知県芸術劇場大ホール、福岡サンパレス、大阪・フェスティバルホールでも上演される。
昼公演後に取材に応じた寺脇は、思い出深いシーンを問われると「やはり美奈子ちゃん(本田美奈子.)。今となっては映像でしか共演できないので…」と感慨深げ。一方の岸谷は「色んな壁があっても、2人なら乗り越えられるというなぜか自信があるんです」と、来年の新作公演に向けて力強く意気込みを語った。