エコンテは27日、世界9カ国の平均所得の格差を見やすく表現したインタラクティブ・チャートを公開した。
世界的ベストセラー『21世紀の資本』の著者、経済学者トマ・ピケティ氏が引用している「The World Top Incomes Database」では、各国の所得データを一般公開している。ピケティ氏の主張について議論される際、参考例として多く利用されるのは所得のシェアであるが、エコンテでは平均所得に着目。これにより、高所得者と下位90%の所得者の年間所得額を可視化し、格差問題をより身近に感じ取れる表現にした。また、平均所得をグラフ化することで、時代ごとの資本価値も読み取ることができるとしている。
国別の平均所得を見ると、日本を含めた先進国では、上位所得者(赤、ピンク、オレンジ、黄)と下位90%の所得者(青)の差が大きく、より格差が著しいことがわかった。
日本については、2010年時点の下位90%の所得者の平均収入は約146万円。一方、同じく格差の大きい米国では、平均収入は約3万ドル(2015年3月時点の円為替レート換算=約380万円)と、日本よりも高かった。同社によると、日本の格差問題は、高所得層の所得だけが増加するその他先進国の格差問題とは違い、低所得層が増加する「下方向への格差拡大」だと説く人も多いという。