大山ケーブルカーを運営する大山観光電鉄は、10月1日運行開始予定の新型ケーブルカーのデザインイメージを公表した。「大山の特色ある眺望・景観を取り込んだ展望車両」をコンセプトに、眺望をより楽しむことができ、居住性にも優れたケーブルカーをめざす。

新型ケーブルカーの外観デザイン

新型ケーブルカーは同社にとって50年ぶりの車体新造となる。デザイン設計は小田急ロマンスカーVSE(50000形)・MSE(60000形)、箱根登山鉄道3000形「アレグラ号」などを手がけた岡部憲明アーキテクチャーネットワークが担当。眼下に海を望む山下側の車体前面と屋根面大型曲面ガラスを採用し、開放感あふれる眺望を演出するほか、側面と山上側の車体前面にも大型ガラスを取り入れ、大山の大自然に溶け込むような雰囲気を醸し出す。

外観はブリリアントグリーンを基本色とし、2両のうち1両ずつ設定した固有色(ゴールドまたはシルバー)を前面と側面に配色。インテリアは天井部を木目調、座席や床材は緑を基調とし、自然に包まれた雰囲気を演出する。山下側には6席(山下方向走行時)または8席(山上方向走行時)の展望席を設置。これまで眺望の妨げとなっていた車内電力用・保安通信用の架線は撤去し、リチウムイオン電池の搭載や誘導無線方式の採用などで架線レスシステムを実現する。

パンタグラフの山側移設による山下側の天井高の拡大や車内階段高さの縮小などにより、車内の居住性や移動しやすさも向上。車椅子スペースの設置や自動扉開閉時のドアチャイム・ドアランプ導入により、バリアフリー化にも配慮するとのこと。