北海道十勝で生産された20キロもある生チーズの原木を、ひと口サイズに切り出してその場で試食させてくれる“原木生チーズ切り出し試食販売”がスーパーの店頭で行われているという。「切り立てのフレッシュなチーズが味わえて美味しい」と好評の実演販売を覗いてきた。

原木生チーズ切り出し試食販売

iPhoneが小さく見える!

今回、取材してきたのは東京都品川区にある「イオン 品川シーサイド店」の食料品売り場。スーパーでよくある実食のデモンストレーション販売だが、縦270mm×横360mm×高さ180mmの巨大な原木チーズがドドーンと一角に置いてあり、それをナイフでその場でカットして食べさせてくれる。

このユニークなプロモーションを展開しているのは「明治十勝ボーノ 切り出し生チーズ」。2011年に初めて発売し、昨年秋にリニューアル。従来からの“チェダー”“モッツァレラ”に加えて、新たに“ゴーダ”が仲間入りし、パッケージも一新された。ナチュラルチーズ(生チーズ)をそのまま1本約10グラムの食べやすいサイズのスティック状にカットし、そのまま手を汚さずに持って食べることができる個別包装がされているのが特徴で、乳酸菌が生きた状態の風味豊かな生のチーズを気軽に楽しむことができる。

筆者のiPhone5sと比較するとその大きさが伝わるだろう

その場でカットし、試食させてくれる

原木チーズの切り出し試食販売については、1年ほど前から「ナチュラルチーズの美味しさを知ってほしい」との想いで実施しているのだという。同社乳製品ユニット 加工食品営業本部 食品営業部の阿部裕貴さんは、「マグロの解体ショーのように、目の前で巨大な原木をカットするというのは臨場感があり、視覚的にもインパクトがあります。店頭ではパッケージに包装されて販売されているので、ナチュラルチーズというのがどういったものかがわかりづらいですが、パッケージ化される前の状態をこうやって実際にお見せすることでお客様に理解してもらいやすいし、ナチュラルチーズの新鮮な美味しさを体験してもらうこともできます」と、デモンストレーションに至る経緯と目的を語る。実際、買い物客からも「こんなに大きいチーズ見たことなかった」、「目の前で切ってくれるので、見ているだけでおいしそう」といった感想が聞かれるなど反応がよく、多くのスーパーで完売御礼状態になる効果があるとのことだ。

今回取材した実演販売では、ゴーダとモッツアレラの原木切り出しチーズと、3種類の製品を食べ比べすることができた。実際に試食させてもらったところ、確かに原木からカット仕立てのフレッシュなチーズは香り豊かで柔らかく、口当たりもまろやかで芳醇だった。そして、ナチュラルチーズというと、外国産の輸入製品が多いが、それらに比べてもクセがなくずっと食べやすい。

3種類のチーズは何に合う?

3種類の製品では、老若男女問わず、最も食べやすいのはモッツァレラチーズ。滑らかな舌触りともっちりとした弾力のある食感で食べごたえがあり、味は最もクセがないと感じた。

一方、塩気のあるしっかりとした味とチーズの濃厚さを楽しみたいならチェダーチーズ。歯ごたえのある食感と表面がザラっとした舌触りで、最もインパクトがある味わいで、お酒のおつまみとしてどんなお酒でも相性がよい。

ゴーダチーズは少々渋みがあり、噛みごたえのある硬めの食感が特徴。味は淡泊なものの、チーズ独特の臭みがなく食べやすいため、そのまま食べたり、濃厚な赤ワインと合わせるなど少し大人な感じのするチーズだ。

また、「料理というよりもチーズそのものの美味しさを味わってほしいです。お酒でもいいですし、意外な組み合わせと思われるかもしれませんが、コーヒーとも合うんです。ぜひ試してみてください」と前述の阿部さん。

なお、原木チーズの解体ショーは、3月28日から全国で展開していくとのこと。近くのスーパーで開催しているのを見かけたら、生チーズの美味しさをぜひ体験してみてほしい。