米Facebookは3月26日、米サンフランシスコで開催中の年次開発者会議「F8」で、インターネット接続を提供する無人航空機(ドローン)「Aquila」(開発コード)を披露した。インターネット接続のない過疎地向けのソリューションとしており、巨大なソーラーパネルにより長期滞在を可能にするという。
Facebookはインターネットを普及させるためにインフラやサービスなど多角的に取り組んでいる。インターネット接続としては、データセンター設計をオープンソース化する「Open Comupte Project」があり、低コストで拡張性の高いデータセンター構築を支援する。
Aquilaは、モバイルインターネットを地球上のすべての人に提供できるようにするための取り組みとなる。Facebookでは、モバイルインターネットに接続できないエリアにいる人を11億人から28億人と予想しており、インフラ投資を抑えた形で接続を提供できる無人航空機(ドローン)を利用する。
Aquilaは約18~27キロメートルの高さからビーム形式でインターネット接続を提供する。Boeing 767と同程度の翼長を持ち、軽量の素材を用いることで重さは小型自動車並みという。巨大な翼にソーラーパネルを敷き、これにより長期間滞在を図る。Aquilaは同社のコネクティビティラボでの取り組みの1つとなり、今年後半にも詳細について明らかにするとのことだ。
Facebookは途上国向けにインターネット利用を促進する取り組み「Internet.org」を進めている。同社CEOのMark Zuckerberg氏は3月初めにスペイン・バルセロナで開催された「Mobile World Congress 2015」で、世界の9割程度の人がインターネット接続エリアでカバーされており、(エリアの拡大よりも)エリアにいる人に利用してもらうことが先決だと述べていた。
Googleなども空を利用したネット接続普及の取り組みを進めており、Googleはバルーン(気球)やドローンの開発を進めている。