埼玉県さいたま市で、1歳3カ月になる孫の腹部を刺したとして、祖母が殺人未遂の疑いで逮捕された。動機に関しては現時点でまだ明らかになっていないが、子育てを実母や義母に手伝ってもらっているママたちにとっては「ハッ」としたニュースだったのではないだろうか。
実家や義実家に子育てサポートをお願いするケースは多く……
実家や義実家が遠方、近居にかかわず、子育てを手伝ってもらっているケースは多い。遠方の場合は、子の夏休みや冬休みといった長期休暇に帰省させ、世話をしてもらう。近辺に実家や義実家がある場合は、保育園やお稽古事の送り迎えなど日常的にサポートしてもらっている場合も多い。
33歳2児の母であるAさん(宣伝職)の夫は海外出張が多く、「実家は岡山県ですが、夫の出張中のみ母に上京してもらっています」とのこと。子どもは2人とも保育園に行っているため、保育園の送り迎えや掃除、洗濯といった家事全般をしてもらっているという。
また37歳1児の母であるBさん(編集職)は、3カ月に1度程度のペースで子連れ帰省。子どもを両親に預けて、その間に自分は友達と遊びに行ってリフレッシュしているそうだ。
40歳1児の母のCさんは(営業職)、近所に実母が住んでおり、日常的に子育てサポートをしてもらっている。そんなCさんは、「時々母が、『老後は自由に暮らせると思ったら孫の世話ばかり』と愚痴をこぼしているんです。『孫がいなかったら刺激のない退屈な日々になっていたでしょ』と返してはいるのですが、いつ母の不満が爆発するかと心配」と不安を抱いている。「たまには母を高級料亭に連れて行くなどして、母の不満がたまらないようにしています」と気を使っているようだ。
Bさんの場合も、何も文句を言わずに実母が孫の面倒を見てくれているので問題視していなかったが、父親から「お前、実家だからって好き勝手するにもほどがあるぞ」といわれたそう。「母は喜んで孫の面倒を見てくれていると思っていたら、実は父に不満をこぼしていたようです。ショックでした……」。
Aさんの場合は、同じ岡山出身の夫と家族全員での岡山移住を考えているという。その話を両親にすると、「別にいいけど、私たちを戦力として考えないでよね」と釘を刺されたそう。「今はまだ距離があるから母も自分の時間を確保できているけれど、私たちが近くに引っ越して来たら孫の世話で自分たちの時間がなくなると心配しているのだと思います」。
私自身も冒頭のニュースを私、子、母の3人で見た。偶然子連れ帰省中だったのだ。ニュースを見ながら「祖母の年齢も孫の年齢も、うちと近いよ」と私が母に話を振ると、「そうねぇ~。この家庭で何があったかは知らないけれど、お父さん(夫)が定年退職してほっとしたかと思ったら、今度は毎日孫の世話じゃあ、気が休まる時がない。孫は時々会うからかわいい、というのが本音かもね」と言い出し、私もギクリとした。
今回登場してもらったAさんBさんCさんの3人は、いずれも実母に子育て協力してもらっている。しかし、実母でさえもおんぶに抱っことはいかず、ママ側の事情、おばあちゃん側の事情がそれぞれあり、問題を抱えているようだ。円満な関係を継続するには、実家や義実家を主戦力として位置づけるのではなく、「たまに手伝ってもらえれば……」くらいのスタンスでいたほうがよさそうだ。