「ウーマンウェルネス研究会 supported by Kao」はこのほど、新コンテンツ「低気圧の日は『春むくみ』にご用心! 足&顔のむくみを解消するコツとは? 」を同研究会が運営するサイト「ウェルラボ」にて公開した。同コンテンツは、東京有明医療大学の川嶋 朗教授が監修している。
むくみとは、血管の外側の細胞間に余分な水分がたまった状態のことを指し、気圧とも密接な関係があるとのこと。雨の日に身体がだるいと感じるのは、人間の身体は気圧が低いときに、だるさや倦怠(けんたい)感を抱きやすくなるためだという。
さらに春は、「三寒四温」(寒い日が3日ほど続いた後に4日ほど温暖な日が続き、また寒くなるというように、7日周期で寒暖が繰り返される現象のこと)といわれ、低気圧と高気圧が繰り返し訪れる寒暖差が激しい季節とのこと。この寒さと暖かさの繰り返しが自律神経の乱れを引き起こし、血流が滞ってむくみにつながるとしている。
「特に雨や曇りの日は気圧が下がり、むくみの症状を感じやすいので、むくむ前の対策を心がけましょう。また、薄着になる機会が増える春は、むくみの原因となる冷えにも注意が必要です」と川嶋教授。
むくみ予防に"温め"ケア
同コンテンツでは、"春むくみ"の対策として「むくむ前の予防ケア」と「むくんだ後の応急ケア」を紹介している。
まず足のむくみ予防には、太ももを温熱シートや湯たんぽで温めるのが効果的とのこと。大きな筋肉がある太ももには多くの血管が通っているため、温めることで全身の体温が上がり、腎臓の血流が促進され、余分な水分が出ていきやすくなるという。
次に顔のむくみ予防としては、レンジで温めたタオルや蒸気(スチーム)を含んだアイテムを顔にあてるのが良いとのこと。乾いた熱よりも熱が深く広く伝わるため、血流が促進されるという。特に、むくみやすい目のまわりに有効としている。
また、入浴はシャワーだけでなく、38~40度程度のぬるめの湯に10~20分間つかると、湯の水圧でむくみが改善するという。さらに効果を高めたい人には、炭酸入り入浴剤の活用を勧めている。
花王と武庫川女子大学の研究では、炭酸は血管を拡張して血流を促進するため、むくみ改善効果が期待できると報告されている。同研究では、さら湯と人工炭酸泉を40度に設定し、それぞれ5分間入浴した後で利き足の足首まわりの長さ(むくみの程度を示す)を測って比較した。その結果、さら湯入浴でも足のむくみは改善したが、炭酸入浴だとより効果が高いことが明らかになったとしている。
なお、これらの予防法は、むくんだ後のケアとしても有効とのこと。
生活習慣を変えることも予防に
さらに、次の3つの生活習慣を変えることも予防ケアになるとのこと。
まず足を意識して上げ、もみ出して伸ばすこと。そうすることにより、重力の影響で下半身にたまった血液を心臓まで押し戻すことができ、むくみ防止になるという。また、川嶋教授は「朝に靴下やストッキングを履く時に、寝転がり、仰向けになって足を上げた状態で履くことで、その日1日のむくみが軽減されます」と提案している。
次に、塩分摂取量を減らすことをポイントとしている。日本人の塩分摂取量は1日11~12gが目安といわれるのに対し、むくみ対策には10g以下が理想的とのこと。「ラーメンのスープは飲まないなど、まずは手軽にできることから始めましょう」と川嶋教授。
そして3つ目は、長時間同じ姿勢でいることを避けること。座ったままでいると血流が滞るため、1時間に1回は立ち上がって歩くことを推奨している。また、雑誌などを丸めて足元で転がすのも効果的とのこと。
足のむくみに効くツボは?
応急ケアとしては、むくみに効くとされるツボ押しとマッサージを紹介している。
アキレスけんには、腎経(腎臓を巡っている経路)を活性化させるツボがあるとのこと。そのツボを伸ばすようにして軽くもむと、余分な水分が排出されてむくみが解消されるという。このほか、腎経・肝経・脾(ひ)経につながっている「三陰交(さんいんこう)」や、腎経に作用するとされる「湧水(ゆうせん)」といったツボを押すなどしても効果的とのこと。
一方、顔がむくんでしまった場合は、耳を上・横・下にそれぞれ引っ張ることで首から上の血行が良くなるという。また、眉の上を軽く押さえて上へ少し上げると、目がすっきりするとしている。