クボタは19日、マレーシアにおいて、パーム(あぶらヤシ)油廃液から回収したバイオガスを使用した発電事業を開始すると発表した。
同社は現在、マレーシアとインドネシアで、パーム油廃液処理設備の導入により、パーム油製造企業の環境保全活動の推進に協力している。パーム油廃液は、ため池(オープンラグーン)で処理される施設が多く、地球温暖化ガス(メタンガス)の大気放散や水質汚染が発生するなど、環境改善が大きな課題となっている。また、バイオガス回収設備と排水処理設備への初期投資は、特に中小規模のパーム油製造企業にとって負担が大きいという。
今回、同社はマレーシアにおいて、パーム油搾油工程で発生する廃液から回収したバイオガスを使用して発電し、売電収入によってパーム油廃液処理設備の初期投資を回収する事業を新たに開始。これにより、パーム油製造企業の資金負担を軽減する。
マレーシアでパーム油製造販売事業を行うSUL社が売電を目的として、2013年7月に設立した特定目的会社「BIOGAS SULPOM」に、クボタが出資する。出資比率は、クボタが49%、SUL社が41%、AQUAKIMIA社が10%。BIOGAS SULPOMの資本金は日本円で約8,700万円。
今後は、パーム油廃液処理の事業活動を通じてノウハウを蓄積することで、プラント建設から運転・維持管理まで一括受注できる体制を構築し、アジアでのバイオガス事業の拡大を目指すという。