楽天は19日、米OverDrive Holdingsの発行済み全株式を約4.1億米ドルで取得し、完全子会社化すると発表した。4月に買収を完了する予定。同社の事業会社のOverDriveは、海外で図書館向け電子書籍配信サービス「OverDrive」を提供しており、楽天はグループ会社Rakuten Koboとあわせて、電子書籍ユーザーの基盤拡大を図る。

「OverDrive」は、図書館や教育機関などを対象に、電子書籍やオーディオブックなどの貸し出しをサポートするB2B2C型の電子書籍配信サービスを提供する会社。米国、カナダ、英国などを含む約50カ国で、約5,000の出版社が提供する250万以上のタイトルを取り扱い、3万を超える施設にサービスを提供しているという。

ユーザーは、図書館や教育機関の貸出IDを使って、パソコンやモバイル端末からiOS/Androidアプリ経由で「OverDrive」にアクセスし、電子書籍などのデジタルコンテンツが借りられる。コンテンツはパソコンやモバイル端末で閲覧でき、貸出期間終了後は利用できなくなるため、返却は不要。タイトルが貸出中の場合は、貸出予約をするか、同タイトルの電子書籍を購入するかを選択できる。

今回の買収により、OverDriveとKoboは互いのネットワークを活用することで、Koboは電子書籍の販売や電子書籍リーダーのさらなる活用を見込むことができ、OverDrive社は海外展開の加速など、シナジーが期待できるという。