カゴメはこのほど、朝・昼・夜のうち、朝にトマトを摂取した場合に機能性成分「リコピン」が最も効率的に吸収されることを明らかにした。
体内での栄養成分の消化吸収や代謝には1日のリズム(サーカディアンリズム)が存在し、栄養成分を摂取する時間帯によって、その吸収効率が異なることがわかってきているという。
同社は、トマトに含まれる抗酸化作用をもつ機能性成分「リコピン」に注目し、これまでに、さまざまな健康機能を明らかにしてきたとのこと。今回は、トマトを摂取する時間帯とリコピンの体内への吸収効率との関係について調査を行った。
同研究では、ラットを、「朝トマト群」「昼トマト群」「夜トマト群」に分け、朝・昼・夜に1匹あたりに6gずつ、通常飼料もしくはトマト含有飼料(トマトの凍結乾燥粉末を10%含む飼料)を与えた。この方法で4週間飼育し、最終日にラットの血中リコピン濃度の推移を調べ、そこからリコピン吸収量の指標として血中濃度曲線下面積(AUC)を算出した。
その結果、朝トマト群は、昼トマト群と夜トマト群の2つと比較して、トマト含有飼料摂取3時間後の血中リコピン濃度が高くなった。また、リコピン吸収率の指標となるAUCにおいても、朝トマト群が最も大きくなった。
これらのことから、朝にトマトを摂取することで、昼や夜にトマトをとった時と比べて、リコピンが速やかに体内に吸収され、リコピンの吸収量も増えることが確認されたとしている。同研究結果は日本農芸化学会2015年度大会(3月26日~29日開催)にて発表予定。