人文書院はこのほど、書籍『ハイパー・インフレの人類学 ジンバブエ「危機」下の多元的貨幣経済』を発売した。著者は人間科学博士の早川真悠氏。価格は5,400円(税抜)。

『ハイパー・インフレの人類学 ジンバブエ「危機」下の多元的貨幣経済』

南部アフリカ内陸国のジンバブエは、2008年から2009年かけて未曽有のインフレーションに陥った。著者は、「経済の解体」といわれるハイパー・インフレの只中でフィールドワークを敢行。危機に直面した人びとの反応と選択を、生活者の視点で記述・分析している。

同国のハイパー・インフレは、「経済の解体」ではなく「一元的貨幣が相対化され、多元的な貨幣状況が立ち現われた現場」であったという。貴重なエスノグラフィーであり、一元的貨幣論に縛られた経済学への反論ともなっている。

主な内容は、「序章 ハイパー・インフレーションの人類学的研究」「第一章 ジンバブエ「危機」――歴史背景と経済状況」「第二章 首都ハラレ――調査地とインフォーマント」など。

著者の早川真悠氏は1976年大阪府生まれ。人間科学博士(大阪大学)。2010年7月~2012年9月、大阪大学グローバルコラボレーションセンター特任研究員。2012年11月~2014年3月、同センター招へい研究員。2009年から久米田看護専門学校非常勤講師を務める。