慶應義塾大学大学院の渡辺光博教授

小林製薬はこのほど、都内にて「杜仲葉研究の成果 "アスペルロシド"で基礎代謝アップ 健康のための『胆汁酸ダイエット』セミナー」を開催。杜仲茶摂取から得られるメリットや杜仲茶を用いたレシピなどを、各分野のスペシャリストが講演した。

ダイエットのカギを握る「胆汁酸」とは

慶應義塾大学大学院の渡辺光博教授は、「基礎代謝アップ 健康のための胆汁酸ダイエット」との題で講演した。

渡辺教授は、たまった脂肪を燃焼させるためには「肝臓」「筋肉」、そしてためた脂肪を燃やす「褐色脂肪細胞」の3つの代謝の"スイッチ"をONにすることが大切だと解説。そのためのカギとなるのが、「胆汁酸」だ。

胆汁酸とは、食事と共に腸で分泌される消化液のことを意味する。胆汁酸は、血中内でホルモンのような働きをすることで、脂肪燃焼の指示を出す。すなわち、血中の胆汁酸量が増えれば、熱産生により基礎代謝が上がるというわけだ。実際、胆汁酸のコントロールによって体重や内臓脂肪が減り、糖代謝がよくなるという研究も得られている。胆汁酸ダイエットとは、この3つの代謝にうまく働きかけることで「基礎代謝を高め、効率よく脂肪を燃焼させる」ことを目指しているのだ。

年齢を重ねるほどに基礎代謝は低くなってしまう

杜仲茶のパワーの源「アスペルロシド」

基礎代謝をアップさせるためには、古い胆汁酸を排泄して新しい胆汁酸を血中に増やすことが必要となる。そして、このメカニズムと同様に、胆汁酸を効率よく働かせる作用を持つ成分が、杜仲茶に使用される杜仲の葉に含まれている成分「アスペルロシド」なのだ。

「アスペルロシドは胆汁酸の分泌を高めます。胆汁酸が脂質の代謝を高めます。新しい胆汁酸が増えることによって、体脂肪が減って肥満を改善します」(渡辺教授)。

杜仲茶に含まれる成分「アスペルロシド」は、胆汁酸を効率よく作用させる働きがある

ラットを用いた試験では、アスペルロシドの摂取によって筋肉量の増加や内臓脂肪量の減少がこれまでに確認されており、ヒト試験においても、アスペルロシドを摂取すると体重や体脂肪率、BMIの減少に対して効果があることが明らかになっている。また、「小林製薬の濃い杜仲茶(煮出し用)」6gを飲みきれる量で煮出して2カ月間飲み続けた場合、毎日1時間のウオーキングをしているのと同じ程度の脂肪燃焼効果があったという。

ヒト試験においても、体重やBMIなどの減少が確認されている

スパイスのような役割がある杜仲茶

そんな優れたパワーを秘めた杜仲茶を、日常生活でもっとおいしく活用するためのレシピを考案してくれたのが、ビューティーレシピアドバイザーのかおるさんだ。

ビューティーレシピアドバイザーのかおるさん

「杜仲茶は基礎代謝を上げてくれるため毎日飲んでいただきたいのですが、『毎日飲むのが大変』『毎日同じものだとあきてしまう』という方も多いかと思います。そこで、杜仲茶を毎日楽しめるレシピを考案しました」。

かおるさんは今回レシピを考案するにあたり、杜仲茶には「食材の味を引き立て、しかも味に深みをあたえる」というスパイスのような役割があることを発見したと話す。そこで、「シナモンや八角の風味に近い」(かおるさん)という杜仲茶の葉を使い、杜仲茶葉を用いたディップと杜仲茶葉入りのグラノーラバーのレシピを紹介してくれたので、興味のある人はさっそく試してみてはいかがだろうか。

「杜仲茶葉入り黒ゴマ豆腐みそディップ」

手前から「杜仲茶葉入りパンプキンディップ」「杜仲茶葉入り黒ゴマ豆腐みそディップ」

材料(2人分)

絹ごし豆腐 150g / 杜仲茶葉 小さじ1 / 黒ゴマ 大さじ2 / みそ 小さじ2 / 豆乳 小さじ2

つくり方

1.豆腐はキッチンペーパーで包み、600Wのレンジで3分加熱して、水切りする

2.すり鉢に1と杜仲茶葉、黒ゴマ、みそ、豆乳を入れてペースト状になるまでする

バケットと一緒にいただくと、口に入れた瞬間にゴマの風味が口いっぱいに広がり、最後にほのかに杜仲茶の香りを感じた。とてもすがすがしい後味で、何個でも食べられそうだった。

「杜仲茶葉入りパンプキンディップディップ」

材料(2人分)

かぼちゃ(皮と種なしの状態) 80g / 杜仲茶葉 小さじ1/2 / ヨーグルト 大さじ1 / マヨネーズ 小さじ2 / 塩 少々 / レーズン 20粒 / くるみ(砕いたもの) 大さじ2

つくり方

1.かぼちゃはラップをして、レンジで600Wで4分温めた後に皮をむく

2.ボウルに1を入れて、めん棒でつぶす

3.杜仲茶葉、ヨーグルト、マヨネーズ、塩を入れてしっかりと混ぜる。その後にレーズン、くるみを加えて軽く混ぜる

こちらも杜仲茶葉とかぼちゃとの相性がバッチリで、さっぱりと食べられた。

「杜仲茶葉入りグラノーラバー」

奥にあるのが「杜仲茶葉入りグラノーラバー」

材料(2人分)

マシュマロ 5個 / フルーツグラノーラ 1カップ / 杜仲茶葉 小さじ1 / バター 10g

つくり方

1.フライパンにバターを溶かし、続けてマシュマロを溶かす

2.マシュマロが溶けたら火を止めて、杜仲茶葉とグラノーラを混ぜる

3.あら熱が取れたらラップに2の半量を乗せて、細長く形を整える。もう1本も同様に作る

グラノーラの甘さに杜仲茶葉のほんのり心地よい苦味がプラスされることにより、甘さがより引き出された感じがした。後味もすっきりしていて、非常に食べやすかった。

毎日の生活に杜仲茶をプラス

これから春に向けて気温が徐々に上がっていくにつれ、肌の露出も増え始めていく。となれば当然、寒い冬の間におなか周りや脚、二の腕に蓄えられた余分なお肉も目立つようになる。

「なんとかダイエットしなければ! 」と思っても、その時間がない人やいきなりの運動に抵抗がある人も少なくないだろう。そんなときは、日々の食生活に杜仲茶を取り入れる"杜仲茶ダイエット"にトライしてみるのもいいかもしれない。