デジタル一眼カメラを購入する際に、ぜひとも知っておきたいのが「センサーの大きさ」です。センサーの違いがわかると、そのカメラのおおよその性格が見えてきて製品選びに役立ちます。レンズ交換式のデジタル一眼カメラに搭載されているセンサーのサイズはおおまかに分けると「マイクロフォーサーズ」「APS-C」「フルサイズ」の3種類で、それぞれに特徴があります。

コンパクトで人気のあるオリンパス「PEN」シリーズはマイクロフォーサーズ規格を採用

入門機や中級機では、ソニー「α6000」のようにAPC-Cサイズを搭載したカメラが主流

高画質を追求するならフルサイズセンサーを。写真はソニー「α7 II」

センサーの面積を比較

上図は「マイクロフォーサーズ」「APS-C」「フルサイズ」、それぞれのセンサーの大きさをまとめたものです。ちなみに、ニコンではAPS-Cを「DXフォーマット」、フルサイズを「FXフォーマット」と呼んでいます。以下、特徴を手短に並べてみましょう。

  • マイクロフォーサーズ:センサーが小型なのでコンパクトなカメラが多い
  • APS-C:入門機からハイエンド機までラインナップが豊富
  • フルサイズ:画質は最高だが、カメラ・対応レンズとも高価

このようにセンサーサイズによる違いを知っていれば、コンパクトなデジタルが欲しければマイクロフォーサーズの製品から、多くの製品からチョイスしたければAPS-C、画質を求めて本気で没頭するならフルサイズ、というようにカメラ選びの大まかな指針になります。

センサーサイズで35mm判換算の焦点距離が変わる

また、センサーのサイズによってレンズの焦点距離が変わってくるのも覚えておきたいポイントです。実際には、「35mm判換算の焦点距離」が変わるのですが、レンズの数字(24mmなど)に対してマイクロフォーサーズなら2倍、APS-Cなら1.5倍~1.6倍、フルサイズならレンズ表記のままになります。

たとえば、キヤノンのAPS-Cカメラ向けレンズ「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM」は、そのままの数値では超広角から標準程度のレンズに見えますが、35mm判換算で表すと28.8~88mmと広角から中望遠までカバーする「標準ズームレンズ」になります。入門機のキットレンズとして付属するだけあって、使いやすい画角をしっかりサポートしているわけですね。

EOS Kiss X8i 標準ズームレンズ「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM」

なぜ、このように「35mm判換算」の数字を基準にしているかと言うと、もともとフィルム時代の一眼レフカメラは「35mmフィルム」を使うものがスタンダードでした。したがって、レンズの焦点距離と画角の関係も同一。その感覚を一度つかんでしまえば、「28mmならちょい広め」「200mmなら、そこそこ遠くを写せるな」といったように、焦点距離で画角をイメージしやすかったのです。

そのことから現在のデジタルカメラやレンズにも、「35mm判換算」という指標がカタログに必ず記されています。35mm判換算時の焦点距離と画角の感覚は、今からでも身に付けられるので、写真を撮るとき、撮った後にチェックするとよいでしょう。