沼津港深海水族館はこのほど、公式Twitterにて「オロシザメ」標本の画像を公開した。
貴重なオロシザメの標本を展示
「オロシザメ」は、ツノザメ目オロシザメ科の深海魚で、体長は40cm程度。今回紹介された個体は昨年の2014年3月1日、駿河湾での底引き網で220~250mの深海から生きたまま引き上げられた。
「オロシザメ」の捕獲はたいへん珍しく、北半球では1985年に初めて捕獲されて以来、今回が4例目。駿河湾で漁をする漁師たちの間でも、これまで見たことがないというほど貴重な個体となる。
体表面は無数の小さなトゲに覆われており、「オロシザメ」の名の由来となっている。背中の中央が盛り上がった独特の姿で、横から見ると三角形をしている。鎌形の、大きな第一背ビレと第二背ビレを持っており、それぞれにトゲが付いている。正面から見た顔は噴水孔(鼻の穴)が大きく開いており、ブルーの目や白い唇とあいまって、なんとも"ブサカワ"な表情となる。
捕獲された個体は9日間は生存していたが、その後死亡し、現在は剥製標本となっている。生存中、様々な餌を与えたがいずれにも興味を示さず、その生態にはまだまだ謎が多いという。
同剥製標本は現在、同館2階「深海の世界」にて展示している。同館の所在地は、静岡県沼津市千本港町83。