日本銀行は10日、2015年2月のマネーストック速報を発表した。それによると、現金通貨や預金通貨などを合わせた指標「M3」の平均残高は前年同月比2.9%増の1,206兆7,000億円となった。伸び率は前月(2.8%増)より0.1ポイント拡大した。
M3の内訳を見ると、現金通貨は同3.9%増の84兆7,000億円で、伸び率は比較可能な2004年4月以降で最大を更新。預金通貨は同5.0%増の517兆2,000億円と、2014年11月以来の伸びを記録した。このほか、準通貨は同0.8%増の568兆3,000億円、CD(譲渡性預金)は同5.3%増の36兆6,000億円となった。
M3からゆうちょ銀行への預金を除いた「M2」は同3.5%増の891兆2,000億円で、伸び率は前月(3.4%増)より0.1ポイント拡大。M3に投資信託や国債を加えた「広義流動性」も同3.5%増の1,588兆9,000億円と、伸び率は前月(3.4%増)より0.1ポイント拡大した。
マネーストックは、通貨保有主体が保有する通貨量の残高(金融機関や中央政府が保有する預金などは対象外)が基本となる。通貨保有主体の範囲は、居住者のうち、一般法人、個人、地方公共団体・地方公営企業が含まれる。このうち、一般法人については、預金取扱機関、保険会社、政府関係金融機関、証券会社、短資等を除く法人となる。なお、速報値は後日修正される場合がある。