スポーツ振興くじ(toto・BIG)が応援する競技・アスリートを紹介するサイト「GROWING」にて、ブラインドサッカー日本代表の加藤健人選手が実施した「スポーツこころのプロジェクト 笑顔の教室」の様子を紹介する動画が公開された。

日本のスポーツ界が一丸となり取り組んでいる同プロジェクトは、東日本大震災で被災した子どもたちの“こころの回復”を応援することを目的としたもの。多くのアスリートが参加し、“夢先生”として、震災による影響を受けた地域の小学校で活動を続けている。

このたび公開された動画は、加藤選手が福島県いわき市立中央台北小学校を訪問した様子を収めたもの。「1人でも多くの子どもたちに仲間の大切さ、夢や目標の大切さを知ってもらえたら」と語る加藤選手が、生徒たちと体育館でアイマスクをして、ブラインドサッカーを楽しみ、実際に触れあうことでそうした思いを伝える姿をダイジェストで紹介する。

「子どものころからサッカーをやってきて、高校ではサッカー部のキャプテンを務めていました。高校3年生のときに目の病気が発覚し、次第に視力を失っていきました。自分の障がいについて知り、『僕はもう何もできないんじゃないか』『僕なんて必要ないんじゃないか』と、途方に暮れ、家にこもりがちになっていたころ、親がブラインドサッカーという競技があることを見つけてくれました」とブラインドサッカーとの出会いについて語る加藤選手。練習を重ねるうちに、もとの感覚を取り戻し、上達するにつれ次第に自信も取り戻し、「僕には新しい夢ができました。ブラインドサッカーの日本代表になることです」と、インタビューで当時の想いを明かす。そして北京パラリンピックのアジア予選で、その夢は見事叶い、今は日本代表として初のパラリンピックに出場することと、メダルを取ることを目標に掲げている。

そんな加藤選手は「はじめなければ、はじまらない」という人生のモットーを“夢先生”として子どもたちに語りかけを続けている。そして、このプロジェクトで教壇に立つと、子どもたちの印象を次のように語る。

「プロジェクトの実施対象地区は、青森・岩手・宮城・福島・茨城・千葉の6県のうち、東日本大震災における津波災害および原発事故の影響で、子どもたちの生活が激変した地区です。その子どもたちは、今も“こころの回復”の途中にあると思います。“こころの回復”には、誰かがきっかけを作ってあげることが必要です。スポーツ選手であり、障がい者でもある僕には、震災という大きな困難から立ち上がろうとする子どもたちに、伝えられることが必ずあると思っています」

なお、「スポーツこころのプロジェクト」はスポーツ振興くじ(toto・BIG)の助成金により運営されている。加藤選手は「1回限りのイベントではなく、一つひとつの学校、一つひとつのクラスに時間をかけて丹念に回っていくこの活動は、とても意義のあることだと思います。このような活動は、資金がなければ成り立ちません。totoの助成の元は、サッカーくじを買うたくさんのスポーツファンの方たちです。totoを購入することが、サッカーやスポーツこころのプロジェクトだけでなく、スポーツ界のさまざまな活動を支える力になっています。支えてくださっているみなさんに、感謝しています」と、プロジェクトの意義を訴えるとともに、支援者に対する謝意を伝えている。