帝国データバンクは9日、通信販売業者の業績動向調査の結果を発表した。それによると、2013年度の総売上高は前年度比3.2%増の2兆1,161億円となり、2期連続で前年度を上回った。スマートフォンの普及などによりネットショッピングが浸透し、マーケットが拡大している。
同調査は、売上10億円以上の通信販売専業企業のうち2011年度から2013年度の売り上げが判明した174社の動向について、集計・分析したもの。
売上高上位企業を見ると、1位はアスクルで同6.4%増の2,103億円。中堅・大企業向け購買システムが伸びたほか、サイトの品揃えを拡充した効果が出た。以下、2位はジャパネットたかたで同21.6%増の1,423億円、3位はジュピターショップチャンネルで同4.4%増の1,327億円と続いた。一方、カタログ通販がメーンの千趣会は同3.1%減、ニッセンは同12.3%減となるなど、カタログ系婦人業者はマイナスとなった。
取扱品別では、多品目の製品を扱っている「総合」が同2.3%増の7,044億円でトップ。2位は「衣料・アクセサリー」で、円安の影響で輸入コストが増加したことなどから同2.9%減の4,182億円に減少した。3位は「オフィス用品」で同5.2%増の3,215億円、4位は「飲食料品」で同3.7%増の2,828億円となった。
TDBは「通信販売業界は、長期的に市場拡大が見込まれるものの、同業者間での顧客獲得競争はより一層激化していく」と分析している。