財務省は9日、2015年1月の国際収支状況(速報)を発表した。それによると、海外とのモノやサービスの取引状況などを示す経常収支は614億円の黒字となった。黒字は7カ月連続。前年同月は1兆5,861億円の赤字で、1月としては2011年以来4年ぶりの黒字となる。
貿易・サービス収支は1兆2,654億円の赤字で、赤字幅は前年同月比で1兆5,309億円縮小した。赤字は34カ月連続。「サービス収支」が赤字幅を拡大したものの、「貿易収支」が赤字幅を縮小したため、赤字幅は縮小した。
貿易収支は8,642億円の赤字で、赤字幅は同1兆5,404億円縮小した。赤字は19カ月連続。自動車や半導体等電子部品を中心に輸出が増加し、原粗油や石油製品を中心に輸入が減少したため、赤字幅は縮小した。
輸出額は同8,395億円(15.3%)増の6兆3,324億円と、23カ月連続の増加。輸入額は同7,009億円(8.9%)減の7兆1,966億円と、8カ月ぶりに減少した。
また、同省関税局がまとめた2015年1月分貿易統計(通関ベース)によると、輸出額は同8,910億円(17.0%)増の6兆1,434億円となった。商品別では、自動車が同993億円(12.7%)増、半導体等電子部品が同620億円(24.1%)増など。主要地域別では、対アジアNIEsが同2,941億円(26.2%)増、対中国が同1,797億円(20.8%)増などとなった。
輸入額は同7,249億円(9.0%)減の7兆3,225億円。商品別では、原粗油が同5,714億円(40.5%)減、石油製品が同914億円(32.2%)減となった一方、液化天然ガスは同481億円(6.5%)増などとなった。主要地域別では、対中東が同6,356億円(38.4%)減、対中国が同1,307億円(6.8%)減などとなった。
サービス収支は4,013億円の赤字で、赤字幅は同96億円拡大した。「旅行収支」が4カ月連続の黒字となったのに対し、「その他サービス収支」の赤字幅が拡大したことなどから、赤字幅は拡大した。
第1次所得収支は1兆4,129億円の黒字で、黒字幅は同704億円拡大した。直接投資に係る再投資収益の増加等により直接投資収益が増加したことで、黒字幅は拡大し、1月としては過去2番目の大きさとなった。
第2次所得収支は861億円の赤字で、赤字幅は同462億円縮小した。