説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『iPhoneは「PREMIUM 4G」に対応しますか?』という質問に答えます。

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NTTドコモが3月27日に提供開始する高速通信サービス「PREMIUM 4G」は、LTE(NTTドコモでは「Xi」)を高度化したLTE-Advancedと呼ばれる規格の一種です。複数の周波数帯域を併用し高速化を図る「キャリアアグリゲーション(CA)」、人口密集地など通信トラフィックが集中する場所にアドオンセルを設置して負荷分散を図る「ヘテロジニアスネットワーク」を活用し、実現されます。

そのPREMIUM 4Gですが、残念ながら現行のiPhoneでは利用できません。2014年9月に発売されたiPhone 6/6 Plusは、PREMIUM 4Gで(キャリアアグリゲーションにより)利用されるLTE 1.5GHz帯に対応せず、ドコモが売りにしている4つのLTE周波数帯域(クアッドバンド)のメリットをフル活用できないことが主な理由として挙げられます。

PREMIUM 4Gは下り最大225MHz(2015年度中に300Mbpsまで高速化予定)と「LTEカテゴリー6」の水準にあり、iPhone 6/6 Plusがサポートする下り最大150Mbpsの「LTEカテゴリー4」より高速です。

PREMIUM-4Gは、サービス開始時点ではモバイルルーター2機種のみが対応製品とされています。現在のところPREMIUM-4Gに対応しうるスペックを備えたスマートフォンは存在せず、NTTドコモも「2015年度の早い段階で提供予定」としています。iPhoneが対応するにしても、例年どおりであれば2015年秋ごろの発売が見込まれる次期モデル以降となることでしょう。

もっとも、PREMIUM-4Gは当面都市部を重点にエリア展開が行われる予定です。サービス開始当初は22都道府県/38都市でしか利用できず、都内でも山手線主要駅周辺からのスタートです。当面は、iPhoneにとってのマイナス材料にならないでしょう。

NTTドコモが3月27日にスタートさせるLTE-Advancedサービス「PREMIUM 4G」にiPhoneは対応しません