初音ミクが歌うボーカロイド曲で人気に火がつき、中高生の間で定番卒業ソングとして知られる「桜ノ雨」が、小説版をもとに実写映画化され、2015年に公開されることが明らかになった。
「桜ノ雨」は、2008年にhalyosy氏が、ボーカルに音声合成ソフト「初音ミク」を使用して、動画サービス「ニコニコ動画」で発表した楽曲。関連動画再生数は2,500万超を記録、ボカロオリジナル曲でミリオンを達成した楽曲として人気を博した。同曲は、ファン有志によって合唱を披露する企画が始まり、2009年と2010年の春に200を越える中高校の卒業式で合唱されるほど人気が拡大。初音ミクにはキャラクターが設定されており、公式プロフィールの年齢が16歳ということから、高校生活を送る初音ミクの想像を広げ、卒業をテーマとした曲となった。
同曲は、高校生が選ぶ2013年卒業ソングランキングで3位(リクルート調べ)、日本人が思い浮かべる2014年の桜ソングランキングで14位(音楽情報誌『CD&DLでーた』調べ)など、いまや国民的な卒業ソングとして確立され、現在も日本各地の中高校の卒業式で歌われる定番ソングへと成長。また、2009年には学生映像制作団体「テトラフィルムスタジオ」による自主制作映画も公開された。
今回の実写映画は、同曲をもとにして2012年に刊行された小説版『桜ノ雨』の物語がベースになるという。20万部という大ヒットを記録したこの小説は、楽曲の制作者halyosy氏が原作・原案として参加しており、以前から構想していたVOCALOIDキャラクターの学園生活を軸に、女子高生の未来(ミク)や鈴(リン)、蓮(レン)などが登場。合唱部を舞台に学園の四季を綴った青春群像劇が描かれている。3月7日には、シリーズ最新刊『Fire◎Flower 君を好きでいられて良かった』(PHP研究所)も発売予定。
「桜ノ雨」の制作者であり、小説版『桜ノ雨』の原作・原案を担当したhalyosy氏は、「今年も全国の学校で『桜ノ雨』は歌われるそうです。この曲を発表して7年が経ちました。最初の年に中学校で歌った方は今頃、大学生や社会人をされてるのでしょうか」と楽曲の発表当時に思いを巡らせながら、「みんなで作り上げてきた『桜ノ雨』には、たくさんの歴史があります。もう何が起きても驚かない! と思っていましたが、まさかの実写映画化。未だに信じられませんが、頂いた脚本を見る限りどうやら本当のようです」と驚きを隠せない様子。そして「『もしミクさんが高校生だったら…』という妄想から生まれた桜ノ雨がどんな映像となるか、一緒に楽しんで頂けたら幸いです」と実写化に大きな期待を寄せている。
映画『桜ノ雨』は、2015年全国公開。
(C)2015 halyosy・藤田遼・雨宮ひとみ/PHP研究所/『桜ノ雨』製作委員会
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