帝国データバンクは5日、第5回「円安関連倒産」動向調査の結果を発表した。それによると、2015年2月の円安関連倒産は前年同月比61.5%増の42件となり、集計開始の2013 年1 月以降で2014年11月と並ぶ2番目の高水準となった。
14カ月連続で前年を上回り、前月比も23.5%増と2カ月ぶりに増加。負債総額は229億6,000万円だった。年度ベースでは、2014年4月~2015年2月の合計は353件に上り、前年同期(161件)から119.3%増の大幅増となった。
地域別に見ると、「関東」が18件で最多。以下、「中部」が7件、「北陸」「九州」が4件、「近畿」が3件と続いた。
業種別では、「卸売業」が15件で最も多く、このうち繊維・衣服・繊維製品卸売と飲食料品卸売は各5件と発生が目立った。次いで、「製造業」が12件、「運輸・通信業」が7件となった。
負債規模別では、「5,000万円以上1億円未満」と「1億円以上5億円未満」が同数の12件。このほか、「10億円以上50億円未満」が8件に増え、負債10~20億円台の地場業界大手クラスの倒産が目を引いた。
同社は「ここにきて、地場業界大手クラスや業歴の長い老舗業者の倒産も目立つようになってきた。今後も引き続き『円安関連倒産』は高水準で推移する見込みであり、今回の円安局面の影響を受けた"突発的な大型倒産"にも一定の警戒が必要だろう」と分析している。