では、最近の法人ビジネスでは、顧客はどういった分野に注目しているのだろうか。諸原氏は、最近の顧客の関心が高い分野として、まず、セキュリティをあげた。
「セキュリティに対する課題は、どのお客様も気にされています。弊社でいえば、Dell SecureWorksが提供している標的型攻撃に対するソリューションです。従来、デルはこの話はできませんでしたが、SecureWorksを買収したことによって提供するソリューションが広がっています(Dellは2011年2月にSecureWorksを買収。2013年2月から国内のサービス提供を介ししている)。最近、さまざまなセキュリティ事件が起きているという背景もありますが、上場会社にとっては、こういったインシデントが発生したときにどういう対応しなければならないのかということに関心があり、デルもこれに対するサービスを提供しています。サービスの中には、リハーサルも含まれており、お客様の関心が非常に高い分野になっています」(諸原氏)
また、仮想化に対する関心も相変わらず高いという。
「サーバの仮想化はすでに進んでいますが、昨年からわれわれが注力しているのは、Software-DefinedやSDNの分野です。今年はさらにSDS(Software-Defined-Storage)が立ち上がってくるでしょう。お客様には、運用コストを下げたいというニーズはまだまだあります。運用というのは労働集約型で、人手がかかっています、この部分を自動化したいというニーズはまだまだあると思います。最近では、Dell PowerEdgeサーバとNutanixソフトウェアを統合した、コンバージドインフラ「Dell XCシリーズ」を提供する取り組みも行っています。従来は、外付けストレージで考えていたものが、最近はいろいろな選択肢が増えています。また、仮想化はスペース効率を高めることもできます。そういった意味で、仮想化がいろいろなところで積極的に利用されるようになっています」(諸原氏)
最近のトレンドであるクラウドについて諸原氏は、「クラウドにはいろいろなパターンがありますが、やはりハイブリッドがメインです。オンプレミスからクラウドへという流れができており、それが実現されつつあります。われわれは、パブリッククラウドを持っていませんので、Azureをはじめとしたパートナーさんのクラウドを組み合わせたソリューションを提供していきたいと思います」と説明した。
そして最後に諸原氏は、今後もっとも注目される技術としてNFV(Network Functions Virtualization)を挙げた。
「テレコム業界は、NFVを利用したかなり大規模な仮想化を検討しています。今後、小規模なネットワーク機器はNFVに置き換わっていくと思います。この流れは確実だと思います。従来はベンダーロックインされていたため、コストも高く、拡張性もありませんでした。ただ、通信業界はデータ量が増え、いろいろなサービスも提供されるようになってきていますので、柔軟性が求められています。今後はマルチベンダーの環境になっていきますで、NFVが中心になっていきます。そういう意味で、来年にかけて大きなシフトが発生すると思います。これには時代が変わるというインパクトがあります。この背景には、サーバの性能が上がってきたということもありますが、ソフトウェアレイヤの部分が充実してきたという背景があると思います。デルはOpenNFVのプラチナメンバーですので、グローバルでフォーカスしています」と、デルがNFVにグローバル全体で注力している点を強調した。