米AMDは3日(現地時間)、米国・サンフランシスコで開催中のゲーム開発者向けカンファレンス「Game Developers Conference 2015」(GDC 2015)にて、バーチャルリアリティ(VR)コンテンツ向け技術「Liquid VR」を発表した。
VRコンテンツを視聴する際、特にVRヘッドマウントディスプレイの利用時に、頭の動きとディスプレイの表示に遅延(レイテンシ)が発生すると、コンテンツへの没入感を阻害してしまう。「Liquid VR」はレイテンシの解決に向けて開発された技術だという。
AMDによる動画。基本的にHMD利用時の頭の動きと表示に関する技術だ |
AMDでは「Liquid VR」の発表に合わせて、情報を登録した開発者向けに「Liquid VR」SDK 1.0アルファ版の提供を開始した。
SDK 1.0では、リアルタイムに近い早さでデータをまとめて、頭部の動きの情報をGPUに送り、フレームのレンダリング後に頭部の位置情報を活用する。新しいイメージをVRヘッドセットに送信することで、頭の向きを変えた時点からディスプレイに表示されるまでのレイテンシを最小化する。
また、複数のGPUを並列動作させ、GPUごとにプロセスを割り当てることでVRアプリケーションのフレームレートを改善する技術により、フレームレートを落とさずにそれぞれのGPUが片目で見たイメージをレンダリングし、その出力を組み合わせて1枚のステレオ3Dイメージにすることができる。
このほか、Radeon GPUに接続したヘッドマウントディスプレイに対して、プラグアンドプレイでの直接起動やWindowsでの拡張ディスプレイ機能を利用できるという。